IgE ELISAキット
免疫グロブリンE (IgE) は 5番目に発見された免疫グロブリンで、5個のドメイン (VH、CHε 1-4) から構成されているHε鎖2本とL 鎖2本からなる分子量約190,000 Daの糖タンパク質です。アレルギーに関与するIgEはレアギンと呼ばれていますが、アレルゲンで感作された際に増加するレアギンは好塩基性顆粒球や肥満細胞の受容体とFc部位で結合し、細胞を感作します。さらにこのIgEにアレルゲンが結合すると、細胞は脱顆粒を起こしてヒスタミン、セロトニン、プロテアーゼなどを放出します。この一連の反応で気管支収縮や粘膜浮腫、分泌亢進が引き起こされ、気管支喘息、一部のじんま疹、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーなどのI型アレルギー反応の原因となります。
IgEとは?
免疫グロブリンE (IgE: Immunoglobulin E) は 5番目に発見された免疫グロブリンで、5個のドメイン (VH、CHε 1-4) から構成されているHε鎖2本とL 鎖2本からなる分子量約190,000 Daの糖タンパク質です。電気泳動的にはγ1領域に移動します。
IgEの半減期は約3日で、健常人の血清中での濃度はきわめて低く、300 ng/mL程度ですが、寄生虫の感染や枯草熱で増加します。アレルギーに関与するIgEはレアギンと呼ばれていますが、アレルゲンで感作された際に増加するレアギンは皮膚、呼吸器、消化器などに存在する好塩基性顆粒球や肥満細胞の受容体 (FcεR1) とFc部位で結合し、細胞を感作します。さらにこのIgEにアレルゲンが結合すると、細胞は脱顆粒を起こしてヒスタミン、セロトニン、プロテアーゼ、ヘパリン、化学走性因子、プロスタグランジン、ロイコトリエンなどを放出します。この一連の反応で気管支収縮や粘膜浮腫、分泌亢進が引き起こされ、気管支喘息、一部のじんま疹、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーなどのI型アレルギー反応の原因となります。
なお、単純化された反応系でモデル動物の免疫機能を測定する場合には、オボアルブミン (OVA) を抗原として投与して抗OVA-IgEの抗体価を測定する方法などが有効です。
レビス™ マウス IgE ELISAキット
レビス™ マウス IgE ELISAキットは、マウスIgEを定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。マウスIgEに特異的な抗体を使用しており、他の免疫グロブリンとの交差性はほとんどありません。
キット性能
測定対象 | IgE |
---|---|
検量線範囲 | 1-100 ng/mL |
測定対象検体 | マウス 血清/血漿 |
必要検体量 | 5 μL (10倍希釈) |
測定時間 | 約5時間20分 |
検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
検量線例

免疫グロブリンとの交差性
動物種 | 分子 | 交差性(%) |
---|---|---|
マウス | IgE (100 ng/mL) | 100 |
IgG (1 mg/mL) | <0.01 | |
IgA (1 mg/mL) | <0.01 | |
IgM (1 mg/mL) | <0.01 | |
ラット | IgE (100 ng/mL) | <0.1 |
IgG (1 mg/mL) | <0.01 | |
IgA (1 mg/mL) | <0.01 | |
IgM (1 mg/mL) | <0.01 | |
ヒト | IgE (100 ng/mL) | <0.1 |
ウシ | BSA (10 mg/mL) | <0.01 |
マウス血清 IgEの測定例
マウス | 検体数 | 平均値 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
NC/Nga、メス、5週齢 | N=24 | 85 ng/mL | 18 ng/mL |
上記測定値は一例です。測定値は実験条件などで変動します。
レビス™ マウスOVA-IgE ELISAキット
レビス™ マウスOVA-IgE ELISAキットは、マウス抗OVA-IgEを定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。オボアルブミン (OVA) を抗原として免疫した後に、抗OVA-IgEの抗体価を測定することで、マウスの免疫機能をより単純化した反応系で調べることができます。
キット性能
測定対象 | 抗OVA-IgE |
---|---|
検量線範囲 | 1.88-120 U/mL |
測定対象検体 | マウス 血清/血漿 |
必要検体量 | 5 μL (10-50倍希釈) |
測定時間 | 約1時間50分 |
検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
検量線例

マウス血清 抗OVA-IgEの測定例
Alumina (20 mg/mL) と OVA (50 μg/mL) を等量混和 (v/v)、OVAは0.1M Carbonate Buffer (pH 8.5) で 1 mg/mLに可溶化し、Saline で50 μg/mLとした。0.2 mL/匹を1週間隔で2回腹腔内投与を行い、採血は3週間後に実施した。
マウス | 検体数 | 平均値 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
BALB/c、オス、8週齢 | N=3 | 139 U/mL | 22.5 U/mL |
上記測定値は一例です。測定値は実験条件などで変動します。
製品一覧
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IgE ELISAキット (マウス)
抗OVA-IgE ELISAキット (マウス)
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