ADRA キット

皮膚感作性の発現は感作性物質とタンパク質が結合し複合体を形成することから始まります(KE1)。この結合は、タンパク質に含まれるシステインのチオール基またはリジンのアミノ基との共有結合によって発生します。ADRAは、タンパク質の代わりにNAC(システイン誘導体)、NAL(リジン誘導体)を用い、これらと被験物質の反応性からタンパク質との結合性を予測します。

反応性の評価は、NAC、NALの溶液と被験化合物の溶液を混合し、25℃で24時間反応させたのち、反応液中に残存するNACとNALそれぞれの濃度をHPLCで定量し、その結果を元に皮膚感作性を評価します。

• 高感度 ・・・281nmで定量するため、共溶出が少ない
• 従来法 (DPRA) の1/100濃度(20mM)で評価が可能 ・・・反応液の析出が少ない
• 結果のばらつきが小さい ・・・反応停止後にHPLC分析を実施するため、測定中の反応進行がない
• スループット性に優れる ・・・実験操作は主に96ウェルプレートとマルチチャンネルピペッターで実施

• 試薬名		梱包数
  NAC	10 mL用	2 本
  NAL	10 mL用	2 本
  NAC Buffer (pH 8.0)プレミックス	300 mL用	2 本
  NAL Buffer (pH 10.2)プレミックス	300 mL用	2 本
  0.01 mol/L EDTA溶液	1 mL	2 本

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試薬

*　蒸留水またはそれ以上のグレードの水（ADRAでは金属含有量が少ない水をご使用ください。)
** 被験物質を水またはアセトニトリルに溶解する場合は使用しません。
※ 陽性対照化合物として、Phenylacetaldehyde (CAS RN^® 122-78-1) が必要です。

器具類

• 電子天秤…0.1 mgまで表示されるもの
• マイクロピペット…2～10 µL、10～100 µL、100～1000 µLを分取できる 3 種類
• 12連ピペット…50～150 µL分取可能なもの
• HPLCシステム…流速 0.3 mL/min で送液可能な 96 well 用遮光オートサンプラー付き
• UV検出器…フォトダイオードアレイ検出器(PDA検出器)または吸光度検出器(281 nm)
• HPLCカラム…ワコーパック^®コア C18 ADRA (φ3.0×150mm) [Catalog # 233-63991]
• pH計…±0.01 pH単位まで読むことが可能で、校正用緩衝液付きであること
• インキュベーター…25℃設定が可能なもの
• 96 wellプレート
• 500 mL ポリボトル
• 試験管ミキサー
• プレートシール…島津ジーエルシー TORAST 96well Seal E Type [Catalog #370-04030-01]または同等品(密封性、耐溶剤性の高いもの)
• プレートシェイカー
• プレート遠心機

※ ADRA に使用する容器や器具類(HPLC 構成部品を除く)はすべて PP または PE 製のディスポ―サブル品を使用してください。
　金属イオンが混入すると NAC が二量体化し、評価を正しく行うことができません。

ダウンロードはこちら(PDF)

島津製作所(株)より、ADRAの高速分析例が示されています。
高速条件を用いることで10種の被験物質の試験で約50時間かかったHPLC分析が18時間で完了します。
詳しくは島津製作所(株)のホームページをご覧ください。