有機物質標準液 (VOC)
かび臭やフェノール類、ハロ酢酸、揮発性有機化合物等の有機物質は悪臭や環境汚染の観点から大気汚染防止法や水道法等で規制、管理されています。中でも、揮発性有機化合物 (VOC;volatile organic compounds)は、室温で高い蒸気圧を有する有機化合物です。VOCは、溶剤や燃料として重要な物質であるため、広く使用されていますが、環境に放出されると、健康被害を引き起こします。国内ではVOCの排出抑制対策を行うため、大気汚染防止法が改正されました(平成18年4月1日施行)。中国では、PM2.5や二酸化硫黄、二酸化炭素とならび、VOCの削減を目指し、2020年12月から製品に含有されるVOCなどの有害物質の制限量に関する7件の国家強制標準(GB規格)が発行されました。この標準は中国国内の生産企業だけでなく、中国向け輸出製品を生産する国外企業も規制の対象となるため、日本の関連企業においても製品の品質管理や水溶性アクリルアミドモノマー等の水溶性原料の切り替え等がすすめられています。当社では、4種類の揮発性有機化合物混合液標準液を提供しています。 特に、揮発性有機化合物25種混合標準液は、JCSS(Japan Calibration Service System)としてSIにトレーサブルな混合標準液です。
分析例 (揮発性有機化合物25種混合標準液)
GCクロマトグラム
分析条件
組成情報(揮発性有機化合物混合標準液)
組成 | 環境分析用 | 土壌汚染物質測定用 | JCSS | |
---|---|---|---|---|
8種揮発性 有機化合物混合標準液 229-01651 |
14種揮発性 有機化合物混合標準液 220-02421 |
12種揮発性 有機化合物混合標準液 228-01481 |
揮発性 有機化合物25種混合標準液 225-02351 |
|
テトラデカン | 〇 | |||
スチレン | 〇 | |||
エチルベンゼン | 〇 | |||
クロロエチレン | 〇 | |||
四塩化炭素 | 〇 | 〇 | 〇 | |
1,2-ジクロロエタン | 〇 | 〇 | 〇 | |
1,1-ジクロロエチレン | 〇 | 〇 | 〇 | |
trans-1,2-ジクロロエチレン | 〇 | 〇 | ||
cis-1,2-ジクロロエチレン | 〇 | 〇 | 〇 | |
1,3-ジクロロプロペン※ | 〇 | 〇 | 〇 | |
ジクロロメタン | 〇 | 〇 | 〇 | |
テトラクロロエチレン | 〇 | 〇 | 〇 | |
1,1,1-トリクロロエタン | 〇 | 〇 | 〇 | |
1,1,2-トリクロロエタン | 〇 | 〇 | 〇 | |
トリクロロエチレン | 〇 | 〇 | 〇 | |
ベンゼン | 〇 | 〇 | 〇 | |
1,4-ジオキサン | 〇 | |||
クロロホルム | 〇 | |||
ジブロモクロロメタン | 〇 | |||
ブロモジクロロメタン | 〇 | |||
ブロモホルム | 〇 | |||
トルエン | 〇 | 〇 | ||
t-ブチルメチルエーテル | 〇 | |||
o-キシレン | 〇 | 〇 | ||
m-キシレン | 〇 | 〇 | ||
p-キシレン | 〇 | 〇 | ||
1,2-ジクロロプロパン | 〇 | |||
p-ジクロロベンゼン | 〇 | 〇 |
※異性体混合物
組成情報 (その他有機物質混合標準液)
JCSSとは
精確な定量分析を行うためには、使用する標準液の濃度値が精確である必要があります。一例として、水質基準の検査方法では、計量法に基づく値付け証明書が添付された標準液を使用することが規定されています。
国内の計量法に基づくトレーサビリティの認定制度としてJCSS (Japan Calibration Service System)があります。JCSSに基づいて生産された標準物質は、計量法のもと指定校正機関である化学物質評価研究機構(CERI)が製造した特定標準物質へのトレーサビリティが担保されたSIトレーサブルな認証標準物質(CRM)です。 JCSS規格の製品にはIAJapan、国際試験所認定協力機構(ILAC)/アジア太平洋認定協力機構(APAC)の国際相互承認協定(Mutual Recognitioin Arrangement; MRA)シンボルのついた証明書が添付されており、その証明書記載の濃度は、MRAを通じて国際的に受け入れられます。当社は、無機(イオン、金属) 、有機、pHのJCSS標準液を取り揃えています。
JCSS証明書
特長
- SIトレーサブルな特性値(濃度、ファクター等)が保証されたCRM
- CERIの特定標準物質を用いた当社での値付け、値付けされた製品についてCERIで濃度信頼性試験を実施することで、値付け結果の高い信頼性を維持
- 証明書にIAJapan、JCSS認定シンボルがついており、ISO 17034でCRMに要求される事項をすべて満たすものであることが分かる
- 証明書にMRAシンボルがついており、記載の特性値が国際的に受け入れ可能であることが分かる
JCSSの仕組み
製品一覧
- 項目をすべて開く
- 項目をすべて閉じる
単品標準液
混合標準液(JCSS)
混合標準液(環境分析用)
混合標準液(土壌汚染物質測定用 )
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。