アポリポタンパク質B-48 (Apo B-48) ELISAキット

リポタンパク質(Lipoprotein)とは、⼀定の割合の脂質とタンパク質からなる複合体で、生体内では主に脂質の輸送を担っています。その構造の表⾯にはアポリポタンパク質があり、リポタンパク質の構造の安定化や、リポタンパク質代謝に関連する酵素の活性化、細胞表⾯にあるリポタンパク質受容体との結合など重要な役割を果たしています。

アポリポタンパク質B-48(Apo B-48: Apolipoprotein B-48)は、⾷物などに由来する外因性脂質を肝臓や末梢組織へ輸送するキロミクロン(カイロミクロン)に特異的な構造タンパク質です(図1)。分⼦量は約264,000 Daで、構造的には内因性脂質を輸送するリポタンパク質(VLDL、LDL、HDL)に存在するアポリポタンパク質のApo B-100とアミノ酸配列が48%相同です。

Apo B-48は摂食後の外因性脂質の輸送を調べるのに最適なマーカーと考えられており、同⼀試料でApo B-48とHDL-コレステロール、LDL-コレステロールを測定することにより、外因性コレステロール、内因性コレステロールの変化を解析できます¹⁾。その他にも、空腹時Apo B-48が食後高脂血症のマーカーとなりうる可能性が報告されており²⁾、末梢動脈疾患(PAD)や心血管疾患、血管内皮障害、⼼臓脈管系における粥状硬化症などに関連するキロミクロン(CM)の残渣(CMレムナント)の評価にもApo B-48は役⽴つと考えられています。

図1 脂質輸送に関連するリポタンパク質およびアポリポタンパク質

レビス™ ヒトアポ B-48 ELISAキットは、ヒト Apo B-48を測定するためのサンドイッチELISAキットです。
Apo B-48に特異的な抗体を使用しており、Apo B-100との交差性は検出感度以下です。

キット性能

検量線範囲	2.5-160 ng/mL
測定対象	Apo B-48
測定対象検体	ヒト 血清/血漿 (くえん酸は使用不可)
必要検体量	50 μL (100倍希釈)
測定時間	約2時間50分
検出法	発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm)

検量線例

ヒト検体(空腹時)での測定値

上記測定値は一例です。測定値は採血や検体の保管条件などで変動します。

フルバスタチンとオメガ-3脂肪酸 摂取時の血漿中アポリポタンパク質の変動^3）

2型糖尿病および高脂血症の患者にフルバスタチン 80 mg、もしくは フルバスタチン 80 mgとオメガ-3脂肪酸 4 gを摂取させ、12時間絶食後に採血を実施した。各検体において、Apo B-100およびApo B-48を測定した。

[結果]
Apo B-48は、フルバスタチンとオメガ-3脂肪酸を摂取した時に、有意に減少した。

ベースライン値に対するApo B-100およびApo B-48の変動

参考文献3）より作図

1. Otokozawa, S. et al.: Metabolism, 58(11), 1536(2009).
   Fasting and postprandial apolipoprotein B-48 levels in healthy, obese, and hyperlipidemic subjects
2. Reyes-Soffer, G. et al.: Diabetes Care, 36(2), 422(2013).
   Effect of combination therapy with fenofibrate and simvastatin on postprandial lipemia in the ACCORD lipid trial
3. Valdivielso, P. et al.: Cardiovasc. Diabetol., 8, 1(2009).
   Omega 3 fatty acids induce a marked reduction of apolipoprotein B48 when added to fluvastatin in patients with type 2 diabetes and mixed hyperlipidemia: a preliminary report