Biotium社 蛍光標識レクチン

Biotium社では糖鎖結合タンパク質であるレクチン(WGA, PNA, Con A, DSL, LEL, PHA-L, UEA I))に独自の蛍光物質であるCF®Dyeで標識している製品を取り扱っています。神経細胞を含む細胞染色の他に免疫組織染色やフローサイトメトリーでご使用いただけます。
レクチンの種類
Biotium社では様々な種類のレクチンに蛍光物質を標識した製品を提供しているため、目的に合わせて製品をお選びいただけます。
| レクチンの結合対象 | レクチン | 
|---|---|
| sialic acid, N-acetylglucosamine | WGA | 
| β-galactose, galactosyl (β-1,3) N-acetylgalactosamine | PNA | 
| a-mannopyranosyl, a-glucopyranosy | Con A | 
| (beta-1,4) linked N-acetylglucosamine oligomers, N-acetyllactosamine,  | 
DSL | 
| [GlcNAc] 1,3-N-acetylglucosamine, glycophorin, Tamm-Horsfall glycoprotein  | 
LEL | 
| T細胞などのリンパ球 | PHA-L | 
| 血液型H2型抗原 | UEA I | 
WGA
Wheat germ agglutinin (WGA)は糖結合レクチンであり、糖鎖のシアリックサンやN-アセチルグルコサミンに特異的に結合します。WGAは主に、生細胞または固定細胞の細胞膜のイメージング、組織切片の染色、あるいはウェスタンブロッティングのための糖タンパク質の標識に用いられます。
特長
- 哺乳類細胞や細菌、酵母の出芽痕など幅広いサンプルで染色が可能
 - ウェスタンブロッティングやELISAなど様々なアプリケーションに使用可能
 - 神経のトレーサーとして使用可能
 - 固定や透過処理に耐性がある
 
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®350 | 347/448 | 29021 | 
| CF®405S | 404/431 | 29027 | 
| CF®405M | 408/452 | 29028 | 
| CF®488A | 490/515 | 29022 | 
| CF®532 | 527/558 | 29064 | 
| CF®555 | 555/565 | 29076 | 
| CF®568 | 562/583 | 29077 | 
| CF®594 | 593/614 | 29023 | 
| CF®633 | 630/650 | 29024 | 
| CF®640R | 642/662 | 29026 | 
| CF®680 | 681/698 | 29029 | 
| CF®680R | 680/701 | 29025 | 
| CF®770 | 770/797 | 29059 | 
使用例

PNA
Arachis hypogaea (peanut) PNA Lectinは末端β-ガラクトースに特異的で、一般的に存在する構造であるガラクトシル(β-1,3)N-アセチルガラクトサミンに優先的に結合します。
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®488A | 490/515 | 29060 | 
| CF®568 | 562/583 | 29061 | 
| CF®594 | 593/614 | 29062 | 
| CF®640R | 642/662 | 29063 | 
使用例

Con A
Concanavalin A (Con A)は糖タンパク質であるa-マンノピラノシルとa-グルコピラノシルに選択的に結合するレクチンとして広く使用されています。これらは特に酵母や真菌の細胞壁の他に哺乳類細胞の細胞膜に多く存在しています。
特長
- 哺乳類細胞の他に酵母や菌の細胞壁の染色に使用可能
 - 固定や透過処理への耐性がある
 
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®350 | 347/448 | 29015 | 
| CF®405S | 404/431 | 29075 | 
| CF®405M | 408/452 | 29074 | 
| CF®488A | 490/515 | 29016 | 
| CF®594 | 593/614 | 29017 | 
| CF®633 | 630/650 | 29018 | 
| CF®640R | 642/662 | 29019 | 
| CF®680 | 681/698 | 29020 | 
| CF®750 | 755/777 | 29080 | 
| CF®770 | 770/797 | 29058 | 
使用例

DSL
Datura stramonium lectin (DSL)はN-アセチルグルコサミンやN-アセチルラクトサミンに結合します。DSLは酸性pH条件下で結合性は増すが、pH8.0以上では親和性が低下します。
*本製品はアジ化ナトリウムを含むため、in vivoや生細胞への実験には適していません。
特長
- 組織切片の免疫蛍光染色に使用可能
 
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®488A | 490/515 | 29097 | 
| CF®568 | 593/614 | 29098 | 
| CF®594 | 630/650 | 29099 | 
| CF®640R | 642/662 | 29100 | 
| CF®680 | 681/698 | 29101 | 
使用例

固定と透過処理をしたHela細胞を染色した画像
PFAで固定後に0.1% Triron®-Xを室温で10分処理した。その後、PBSで洗浄し、PBSで希釈した5µg/mLの CF®488A DSL(緑) を30分処理した。
LEL(TL)
Lycopersicon esculentum (Tomato) lectin (LEL, TL)はアラビノースとガラクトース50%からなる安定な1サブユニットの糖タンパク質です。LELは[GlcNAc] 1,3-N-アセチルグルコサミン、グリコフォリン、Tamm-Horsfall糖タンパク質に結合します。
 LELはげっ歯類や神経の研究において血管やミクログリア細胞のマーカーとして使用されます。
*本製品はアジ化ナトリウムを含むため、in vivoや生細胞への実験には適していません。
特長
- 血管やミクログリア細胞のマーカーとして使用可能
 - 腫瘍血管新生などのマーカーとして使用可能
 - 組織切片の免疫蛍光染色に使用可能
 
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®488A | 490/515 | 29103 | 
| CF®568 | 593/614 | 29104 | 
| CF®594 | 630/650 | 29105 | 
| CF®640R | 642/662 | 29106 | 
| CF®680 | 681/698 | 29107 | 
使用例

ラット脳の凍結切片を染色した画像
ラットの脳の凍結切片をPFAで固定後に0.1% Triron®-Xを室温で10分処理した。その後、PBSで洗浄し、PBSで希釈した5µg/mLの CF®488A LEL(緑) を15分処理した。
核をNucSpot®640 によりマゼンタで染色した。
PHA-L
Phaseolus vulgaris (red kidney bean) agglutinin (phytohemagglutinin; PHA)は2種類のサブユニットから構成されます。
 「E」 ・・・ 赤血球を凝集させるサブユニット
 「L」 ・・・ リンパ球の凝集と分裂促進を引き起こすサブユニット
 Phaseolus vulgaris Leucoagglutinin (PHA-L)は4つのL型サブユニットを持ち、赤血球を凝集させませんが強力な分裂促進効果があり、リンパ球凝集を誘発します。
*本製品はアジ化ナトリウムを含むため、in vivoや生細胞への実験には適していません。
特長
- リンパ球やT細胞の増殖刺激として使用可能
 - 組織切片の免疫蛍光染色に使用可能
 
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®488A | 490/515 | 29115 | 
| CF®568 | 593/614 | 29116 | 
| CF®594 | 630/650 | 29117 | 
| CF®640R | 642/662 | 29118 | 
| CF®680 | 681/698 | 29119 | 
UEA I
Ulex europaeus agglutinin I (UEA I)はABO血液型糖鎖のようなα-結合フコース残基を含む多くの糖タンパク質や糖脂質に結合します。UEA IはABO血液型のすべてで発現している血液型H2型抗原と特異的に結合します。
 UEA Iはヒト内皮細胞のマーカーとして使用され、血管肉腫と上皮性腫瘍の判別に使用されています。
*本製品はアジ化ナトリウムを含むため、in vivoや生細胞への実験には適していません。
特長
- ヒト内皮細胞や未分化のガストリン酸性細胞のマーカーとして使用可能
 - 組織切片の免疫蛍光染色に使用可能
 
| Dye | 波長 Ex/Em(nm) | メーカーコード | 
|---|---|---|
| CF®488A | 490/515 | 29109 | 
| CF®568 | 593/614 | 29110 | 
| CF®594 | 630/650 | 29111 | 
| CF®640R | 642/662 | 29112 | 
| CF®680 | 681/698 | 29113 | 
製品一覧
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蛍光標識WGA
蛍光標識PNA
蛍光標識Con A
蛍光標識DSL
蛍光標識LEL(TL)
蛍光標識PHA-L
蛍光標識UEAⅠ
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