黄体形成ホルモン (LH) ELISAキット

黄体形成ホルモン (LH: Luteinizing Hormone) は分子量 約29,000 Daの糖タンパク質で、α-サブユニットとβ-サブユニットからなるヘテロダイマーです。
α-サブユニットは甲状腺刺激ホルモン (TSH) や卵胞刺激ホルモン (FSH) と共通の構造で、β-サブユニットはLHに特異的な構造です。動物種における分布は魚類-哺乳類の全脊椎動物におよび、精巣にもLH様の物質が存在するという報告があります。

LHは下垂体前葉 (腺下垂体) の好塩基性性腺刺激ホルモン産生細胞 (ゴナドトローフ) でFSHと共に産生・貯蔵され、視床下部ホルモンである性腺刺激ホルモン放出ホルモン (LHRH) の刺激で分泌されます。ラット下垂体におけるLHの含量は、雄では6～7 μg/gland、雌では3～4 μg/gland (NIH-LH1 S1換算) と雄のほうが多く、雌では性周期に伴って変動します。

LHの標的器官は、雌では卵胞の成熟顆粒膜細胞で、FSHと協調して卵胞の成熟やエストロゲン産生、排卵を誘発し、排卵後黄体化した後はプロゲステロン産生・分泌を促進します。雄では精巣の間質細胞 (Leydig細胞) でアンドロゲンの産生・分泌を促進し、アンドロゲンを介して精子形成に関与します。LHが不足すると性ステロイドホルモンの分泌低下、間質細胞萎縮、排卵黄体化停止などが起こり、過剰状態では精巣間質細胞肥大とそれに続く萎縮、エストロゲン、アンドロゲンの分泌増大、早発過排、性成熟促進等が起こります。発情前期に大量に分泌されるエストロゲンは、ポジティブフィードバックにより、LHRHを介してLHの一過性大量分泌 (LHサージ) を引き起こし、排卵を誘起します。一方、LHの分泌は血中性ステロイドホルモンの増加やオピオイドペプチド (特にβ－エンドルフィン)、幼小児期、妊娠時、産褥期などで抑制されます。

レビス™ ラットLH ELISAキットはラットの黄体形成ホルモン (LH) を定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。ラットLHに特異的なモノクローナル抗体を使用しています。本製品はキット中の全ての試薬が溶液タイプで、即座に使用可能です。

キット性能

測定対象	黄体形成ホルモン (LH)
検量線範囲	0.313-10 ng/mL
測定対象検体	ラット 血清/血漿 (EDTA)
必要検体量	10 μL
測定時間	約3時間50分
検出法	発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm)

検量線例

マウス/ラット血清LHの測定例