IFN-γ ELISAキット
インターフェロン-γ (IFN-γ) は自然免疫と獲得免疫のいずれにおいても重要なサイトカインです。IFN-γを産生する細胞にはナチュラルキラー細胞やT細胞が知られています。分泌されたIFN-γは抗ウイルス作用をはじめ、マクロファージの活性化や樹状細胞の成熟、T細胞の分化誘導など多様な免疫応答を誘導します。またINF-γはがんに対する免疫応答にも深く関与しており、がん転移の抑制やアポトーシスの誘導、血管新生の阻害など様々な抗腫瘍作用が報告されています。
当社では、ヒトやマウスの血清・血漿中IFN-γを高感度に測定できるELISAキットをラインアップしています。従来品では検量線下限値を下回るような低濃度の検体でも測定可能です。またキットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
IFN-γとは?
インターフェロン-γ (INF-γ: Interferon-γ) は、II型インターフェロンに分類されるサイトカインです。マイトジェンの一種であるフィトヘマグルチニンによって刺激を受けた白血球が産生する抗ウイルス因子として発見されました1)。ヒトIFN-γは143アミノ酸、マウスIFN-γは133アミノ酸で構成されており、いずれもホモ二量体で機能します。受容体はIFNGR1とIFNGR2のサブユニットから構成されており、IFN-γが受容体に結合すると下流のJAK-STAT経路が活性化されます。活性化されたSTAT1はホモ二量体を形成後に核内へ移行し、IFN-γ activated site (GAS) と呼ばれるDNA配列に結合することで、さらに下流の遺伝子発現を誘導します。
IFN-γは自然免疫と獲得免疫のいずれにおいても重要なサイトカインです。サイトカイン (IL-12など) や病原体および腫瘍由来の物質によって刺激を受けると免疫細胞からIFN-γが分泌されます。IFN-γを産生する細胞にはナチュラルキラー (NK) 細胞やヘルパーT細胞 (Th1) が知られています。分泌されたIFN-γは抗ウイルス作用をはじめ、マクロファージの活性化や樹状細胞の成熟、T細胞の分化誘導など多様な免疫応答を誘導します2)。またINF-γはがんに対する免疫応答にも深く関与しており、がん転移の抑制やアポトーシスの誘導、血管新生の阻害など様々な抗腫瘍作用が報告されています2)。
レビス™ Human IFN-γ ELISA Kit
レビス™ Human IFN-γ ELISA Kitは、ヒトIFN-γを定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。検体中のIFN-γを高感度に測定することができます。キットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
キット性能
測定対象 | IFN-γ |
---|---|
検量線範囲 | 0.768-75.0 pg/mL |
測定対象検体 | ヒト 血清/血漿/細胞培養上清※ |
必要検体量 | 50 μL (2倍希釈) |
測定時間 | 約2時間20分 |
検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
あらかじめ使用する培地について添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。
検量線例

ヒト末梢血単核細胞 (PBMC) 細胞培養上清 IFN-γの測定
本製品と他社製品を用いて、ヒト末梢血単核細胞 (PBMC) 細胞培養上清のIFN-γを測定した。
<実験条件>
- コントロール :
- RPMI-1640 + 10% FBS
- PHA刺激なし :
- RPMI-1640 + 10% FBSでPBMC (5x105 cells/mL) を3日間培養した細胞培養上清
- PHA刺激あり :
- RPMI-1640 + 10% FBSでPBMC (5x105 cells/mL) を3日間培養した細胞培養上清
培養中に10 µg/mL Phytohemagglutinin (PHA) で刺激
実験条件 | 本製品 (pg/mL) | 他社製品 (pg/mL) |
---|---|---|
コントロール | < 0.768 | <15.6 |
PHA刺激なし | < 0.768 | <15.6 |
PHA刺激あり | 12,385 | 16,224 |
[結果]
本製品および他社製品を用いて、10 µg/mL PHA刺激によるヒトPBMC細胞培養上清中のIFN-γ増加が確認できた。
レビス™ Mouse IFN-γ ELISA Kit
レビス™ Mouse IFN-γ ELISA Kitは、マウス IFN-γを定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。検体中のIFN-γを高感度に測定することができます。キットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
キット性能
測定対象 | IFN-γ |
---|---|
検量線範囲 | 2.05-500 pg/mL |
測定対象検体 | マウス 血清/血漿 (EDTA・ヘパリン) |
必要検体量 | 25 μL (2倍希釈) |
測定時間 | 約3時間50分 |
検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
検量線例

マウス血清・血漿 IFN-γの測定例
サンプル: BALB/c、オス、8週齢、16時間絶食
検体No. | 血清 | 血漿 (EDTA) | 血漿 (ヘパリン) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
本製品 (pg/mL) | 他社製品 (pg/mL) | 本製品 (pg/mL) | 他社製品 (pg/mL) | 本製品 (pg/mL) | 他社製品 (pg/mL) | |
1 | 30.1 | N.D. | 1.85 (参考値) | N.D. | 61.2 | N.D. |
2 | 31.3 | N.D. | 21.7 | N.D. | 18.3 | N.D. |
3 | 5.73 | N.D. | 38.0 | N.D. | 2.66 | 3.09 |
4 | 56.0 | N.D. | 57.3 | N.D. | 33.1 | N.D. |
5 | 19.3 | N.D. | 5.85 | N.D. | 77.6 | 4.46 |
[結果]
本製品は、他社製品において検量線下限値を下回るような検体でも測定することができた。
参考文献
- Wheelock, E. F.: Science, 149(3681), 310(1965).
Interferon-like virus-inhibitor induced in human leukocytes by phytohemagglutinin - Jorgovanovic, D. et al.: Biomark. Res., 8, 49(2020).
Roles of IFN-γ in tumor progression and regression: a review
製品一覧
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IFN-γ ELISAキット (ヒト)
IFN-γ ELISAキット (マウス)
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