抗シナプシン抗体

シナプシンはシナプス小胞結合タンパク質の一種で、シナプス小胞の動態制御に関与していると考えられています。主に神経終末に局在していることから、免疫組織染色などにおいて前シナプスマーカーとして利用されています。当社では多重染色に有用なモルモットの抗シナプシンI抗体を取り扱っております。

シナプシンとは? 

シナプシン (Synapsin) はシナプス小胞結合タンパク質の一種です。哺乳類ではシナプシンI、シナプシンII、シナプシンIIIの3種類の遺伝子が知られています。シナプシンIとシナプシンIIはグルタミン酸やGABA、ドーパミン、アセチルコリンなどの神経伝達物質を内包するシナプス小胞に結合しており、神経ペプチドを内包する顆粒には存在しません。生体内ではシナプス小胞の動態制御に関与していると考えられており、りん酸化/脱りん酸化を介してその機能が調節されています。シナプシンを基質とするキナーゼとしてCaMKIやCaMKIIが、フォスファターゼとしてカルシニューリンなどが知られています。
シナプシンは主に神経終末に局在していることから、免疫組織染色などにおいて前シナプスマーカー (presynaptic marker) として利用されています。

抗シナプシンⅠ, モルモット

「抗シナプシンⅠ, モルモット」はモルモットから得られたシナプシンIに対するポリクローナル抗体です。免疫組織染色の多重染色に使用可能です1-2)

抗体情報

抗体種 ポリクローナル抗体
抗原 ラット シナプシンI
免疫動物 モルモット
組成 抗血清
標識 未標識
交差性 マウス、ラット
アプリケーション 免疫細胞染色 1:1,000
免疫組織染色(凍結切片) 1:1,500

アプリケーションデータ

免疫組織染色

低倍率 (対物レンズx10)
高倍率 (対物レンズx60x2油浸)

動物種  マウス
部位   海馬CA3
サンプル 凍結切片
抗体濃度 1:1,500

<データ提供>
京都工芸繊維大学 応用生物学系 宮田先生

高倍率 (対物レンズx60x2油浸)

動物種  マウス
部位   大脳皮質V層
サンプル 凍結切片
抗体濃度 1:1,500

<データ提供>
京都工芸繊維大学 応用生物学系 宮田先生

免疫細胞染色

DIV: Days in vitro

細胞種  ラット海馬 初代培養神経細胞
抗体濃度 1:1,000

<データ提供>
京都工芸繊維大学 応用生物学系 宮田先生

[結果]
培養7日目にはシナプスはほとんど形成されていないが、培養21日目には顕著な粒状のシナプスが多数観察された。培養細胞はターンオーバーが早く、細胞体においては小胞体で合成中あるいは軸索輸送中のシナプシンIが弱い蛍光として検出されたと考えられる。

DIV: Days in vitro

細胞種  ラット海馬 初代培養神経細胞
抗体濃度 1:1,000
備考   白矢頭 → GAP-43単独陽性シナプス
     黒矢印 → シナプシンI単独陽性シナプス

<データ提供>
京都工芸繊維大学 応用生物学系 宮田先生

[結果]
ラット海馬 初代培養神経細胞のシナプス (白矢印) において、GAP-43とシナプシンIの共局在が認められた。

参考文献

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抗シナプシンI, モルモット (ポリクローナル抗体)

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