封入剤
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封入剤の種類と使い分け
封入剤には水溶性のものと非水溶性(溶剤系)のものが存在します。操作の手間や使用する色素によってどちらの封入剤を使用するか検討が必要です。
水溶性の封入剤ではPBSやグリセリンが一般的に使用されます。後述の非水溶性封入剤のように脱水処理が不要なのですぐに封入することができますが、一般的に試料の保存性は非水溶性封入剤に劣ると言われています。
一方、非水溶性の封入剤ではキシレンベースのものが良く使用されます。非水溶性封入剤は試料の保存性に優れており永久標本ではキシレンベースの封入剤がよく使用されます。しかし脱水操作が必要であり、有害物質であるキシレンを使用しなければいけないといったデメリットもあります。当社ではキシレンフリーの安全な封入剤であるパソマウントを販売しております。
イメージング技術の発展と封入剤の改良
顕微鏡や組織透明化技術の発展により組織の深部まで観察が可能になりましたが、深部の観察では封入剤の屈折率が問題になる場合があります。浸漬オイルおよびカバーガラスの屈折率は1.52ですが、グリセリンの屈折率は1.46です。そのためグリセリンを封入剤にした場合、標本の屈折率は水の1.33から、グリセリンの1.46の間になります。この屈折率の違いによりカバーガラスと標本の界面で屈折が生じ、本来1点に収束する励起光は広がり、像がぼやけてしまいます。
当社が販売しているSuper Clear Mountは屈折率を浸漬オイルおよびカバーガラスと同様の1.52となるように最適化しているため、カバーガラスと標本間での屈折が生じず、深部の観察においても高解像度・高輝度の画像を得ることができます。
また、蛍光タンパク質の蛍光が非常に安定に保持される特長があります。通常の組織切片サンプルや、組織透明化サンプルのマウンティング剤として、幅広く使用可能です。