昆虫細胞・バキュロウイルス発現系によるタンパク発現
当社サービスについて
サービスの特長
- 高発現株であるexpresSF+を標準使用
- 糖鎖等の翻訳後修飾を受けたタンパク質が取得可能
- 日本国内で400件以上の実績(受託サービスとして300件以上)
- ベクター構築から生産・精製までトータルにサポート(各ステップのみの受託も承ります)
- お客様が希望の試験系・スケールアップに対応
生産実績 (2008年4月~2023年3月受託生産分)
① 発現成功率(ウェスタンブロッティングによる発現確認)
Protein type | Projects | 成功率(%) |
---|---|---|
分泌型タンパク質 | 110/111 | 99.1 |
膜タンパク質 | 90/91 | 98.9 |
細胞内タンパク質 | 82/82 | 100 |
核タンパク質 | 50/53 | 94.3 |
ウイルス由来タンパク質 | 80/80 | 100 |
その他局在不明 | 19/19 | 100 |
Total success rate: | 431/436 | 98.9 |
② 生産量と純度
BAC Xpress EZ(簡易発現コース)
昆虫細胞およびバキュロウイルスを用いた、組み換えタンパク質の簡易的な発現受託サービスです。
組み換えタンパク質を最短2週間でお手元にお届けします。「低コストで発現チェックしたい方」へオススメのサービスです。
また、簡易的な1L生産・精製コースもご用意しておりますので、精製タンパク質が必要な方にもご利用いただけます。
サービスの流れ
納品物
- 培養上清または細胞ペレット
- ウイルス液(コトランスフェクション液)
- 発現ベクター
- 試験報告書
発現例
His-tag付きタンパク質の発現(ウェスタンブロッティング)
価格/納期
基本サービス
サービス項目 | 希望納入価格(円) | 納期 |
---|---|---|
Bac Xpress EZ | 195,000円 | 2週間 |
1L生産・精製お試しコース
Bac Xpress EZ(1L生産)にアフィニティー精製を加えたコースになります。
ウイルス液を作製し、1Lで簡易発現、アフィニティー精製(Ni精製)を行います。
昆虫細胞・バキュロウイルス発現系で生産精製を試されたい方にご利用いただけます。
※発現物が見られなかった場合、試験を中断し、実施した分の試験費用を請求いたします。
サービス項目 | 希望納入価格(円) | 納期 |
---|---|---|
1L生産・精製お試しコース | 750,000円 | 1.5ヵ月 |
オプション(発現ベクター)
サービス項目 | 希望納入価格(円) | 納期 |
---|---|---|
発現ベクターの作製 ※1 | 45~/bp + 22,500~ | 3週間~ |
BAC Xpress (通常コース)
Bac Xpress EZでウイルス液作製後、ウイルスの純化から発現条件検討、大量生産まで提供する網羅的サービスです。
ステップごとに対応可能で、お客様のご希望に合わせた試験系を構築しいたします。
サービスの流れ(ウイルス液作製後)
納品物
- 精製物(生産のみの場合、細胞ペレットまたは培養上清)
- ウイルス液
- 試験報告書
価格/納期
サービス項目 | 希望納入価格(円) | 納期 | |
---|---|---|---|
1 | ウイルスの純化 | 200,000 | 2週間 |
2 | 組み換えウイルス液の増幅 | 200,000 | 2週間 |
3 | タイター測定 | 150,000 | 2週間 |
4 | 感染用ウイルス液の作製 | 100,000 | 1週間 |
5 | 発現条件検討試験(6区) | 350,000 | 2週間 |
発現条件検討試験(9区) | 500,000 | 2週間 | |
6 | 生産 (1L) | 150,000 | 1週間 |
生産 (2L) | 300,000 | 2週間 | |
生産 (5L) | 600,000 | 2週間 | |
生産 (10L) | 1,000,000 | 3週間 | |
7 | 発現確認 | 100,000 | 1週間 |
8 | アフィニティー精製 | 400,000~ | 2週間 |
お見積り・ご注文について
よくある質問
昆虫細胞・バキュロウイルス
- expresSF+®細胞について
expresSF+®細胞はヨトウガ(Spodoptera frugiperda)の卵巣に由来するSf9細胞株から、厳密なセレクションのステップを介し、商業的組換えタンパク質生産用としてProteinSciences社(現Sanofi社、米国)によって開発された細胞です。FDAから承認が得られた季節性インフルエンザワクチン(Flublok®, ProteinSciences社)は、本細胞で開発・生産された実績がございます。
- 大腸菌による発現と昆虫細胞による発現によるタンパク質の違い
大腸菌発現系では、一般的に、分子量が約30kDa付近(アミノ酸で300aa程度)までのタンパク質を発現させるのに適しています。また、糖鎖が付加されるタンパク質、膜タンパク質や立体構造が複雑なタンパク質の発現を苦手としており、発現しない、又は、発現してもInclusion body(不溶性)になる場合がございます。
しかし、昆虫細胞は、膜タンパク質や複雑な立体構造のタンパク質も発現可能で、発現物には短いながらも哺乳細胞系とほぼ同じ箇所に糖鎖が付加されます。大腸菌で「Inclusion bodyを形成する」、もしくは「分子量が大きすぎて発現しない」といったケースは、昆虫細胞発現系を試みる価値があります。
- バキュロウィルスとは?
バキュロウイルスは、円形または卵形の二重鎖DNAウイルスであり、昆虫を宿主とします。増殖過程で感染細胞の核内にポリヘドリン(Polyhedrin,多角体)と呼ばれる結晶構造のタンパク質を形成するため、核多角体病ウイルス(Nucleopolyhedrovirus:NPV)に分類されます。ウイルスの増殖や複製に関与しないこのタンパク質は、細胞の総タンパク質の約50%を占めるほどに発現し、バキュロウイルスを包み込んで自然界から守る働きをします。バキュロウイルス発現系では、ポリヘドリン遺伝子を発現するプロモーター直下に目的遺伝子を導入し、この組換えウイルスを昆虫細胞に感染させることでタンパク質を大量に発現させます。
ウイルス液
- 組換えウイルス液の保存方法
組換えウイルス液に血清を追加して凍結保存することで、急激な力価の低下を抑えながら長期保存(1~2年)が可能となります。
保存後、使用前には必ずウイルス液の増幅を行ってください。
- バキュロウイルスの不活化・除去方法
イオン交換カラムやフィルター除去によって行っております。(オプション)
実績
- タンパク質の作製実績
HTS用酵素、キナーゼ、サイトカイン、GF、薬理研究用試料、抗体作製用抗原等各種実績がございます。
法律・権利
- 昆虫細胞(バキュロウイルス系)で発現させたタンパク質はカルタヘナ規制について
カルタヘナ該当品となります。当社で発現させたタンパク質を納品する際は、情報提供書(グリーンカード)を添付いたします。
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。