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QA番号:42062

Qホルマリン(ホルムアルデヒド液)製品の違い、使い分けについて教えてください。

A

当社では、病理組織の固定用に数種類のホルマリン液を取り扱っております。
各製品の違い、使い分けなどについてよくお問い合わせをいただきます。製品の特長をまとめました。

ホルマリンとは

ホルマリンとはホルムアルデヒドの水溶液の事で、ホルムアルデヒド液ともいいます。
生物の組織標本作製のための固定・防腐処理に広く用いられています。
市販のホルマリンのホルムアルデヒド濃度(重量比率)は、試薬特級では36.0~38.0w/w% 日本薬局方 医薬品各条では35.0~38.0w/w%です。

ホルマリン液とは

ホルマリン液とはホルマリンを水で希釈した液の事で、%はホルマリンの容量比率(v/v%)を表しています。
この比率はホルムアルデヒド濃度ではなく、例えば10% ホルマリン液 は、ホルマリンと水を容量比で10:90 の割合で混和している事を意味しています。
含まれるホルムアルデヒド含量は3.7~4.1w/w%(当社製品)です。

中性緩衝ホルマリン液とは

ホルマリンは分解してぎ酸を生じます。組織によってはこの酸の影響を受けるものがあります。
本製品はホルマリンにりん酸ナトリウムを加えてpH約7.4に調節したもので、ホルマリンの分解によって発生する酸による組織への影響の心配がありません。
最も一般的に使用されている固定液です。 ホルマリンの容量比率(v/v%)をホルマリン液同様 %で表示しています。

マイルドホルムとは

中性緩衝ホルマリン液に、ホルマリンの刺激臭と不快臭を抑えるマイルド剤(ワインエキス)を添加した無臭タイプの固定液です (安全性を考え、ホルマリンと認識できる程度の臭いは残しています)。NタイプとNMタイプがあります。

Nタイプ:
Neutral(中性)を意味しています。中性緩衝ホルマリン液を調製に使用している事に由来します。
NMタイプ:
成分としてMethanol(メタノール)を添加している事を表しています。メタノールを添加する事で組織への浸透・固定力が高まります。

● 浸透・固定力:
マイルドホルム10Nは10%中性緩衝ホルマリン液とほぼ同等、NMタイプはNタイプのおよそ2倍位の浸透・固定力です。

● 用途:
Nタイプは中性緩衝ホルマリン液の代替品としてお使いいただけ、作業環境の改善も期待されます。 
NMタイプは迅速に短時間で固定したい場合や、結合組織や脂肪組織を多く含む検体の固定に適しています。

各製品の使い分け

● ホルムアルデヒド濃度:
どのホルムアルデヒド濃度の製品が適しているかは検体により異なりますが、一般的に高濃度の方が浸透力が上がるので早く固定できます。浸透力はホルマリン濃度が 20%>15%>10% の順です。しかし濃度が高いと検体にダメージがある場合があります。ダメージを与えない様ゆっくり処理を行う場合は低濃度のものを選択します。

● ぎ酸による影響を避けるならば中性緩衝ホルマリン液、ホルマリン臭を抑えるにはマイルド剤(ワインエキス)を添加したマイルドホルムを選択します。

メタノール濃度

ホルマリンは重合を避けるため、安定剤として5~10w/w%のメタノールを含んでいます(ラベルやSDSにはその旨記載しています)。
よって、ホルマリンを使用し調製している、ホルマリン液、中性緩衝ホルマリン液、マイルドホルムもメタノールを含みます(マイルドホルムNMはホルマリン由来のメタノールに加え調製時メタノールを添加しています)。
各製品のメタノール含量は測定していません。ホルムアルデヒド液の濃度を目安にしていただければと存じます。

当社取り扱い製品

品 名 ホルマリン
濃度
(v/v %)
組 成 ホルムアルデヒド
含量
(w/w %)
pH規格 浸透固定力 コードNo. 容 量
10%
ホルマリン液
10% 蒸留水
ホルマリン
18 L
2 L
3.7~4.1% ・「20%>15%>10%」の順に浸透率がよい
・10%:数日以上固定液に置く場合によい
・20%:1~2日程度の固定によい
・15%:両者の中間に属する
064-03843
060-03845
068-03841
066-03847
200 mL
500 mL
1 L
20 L
15%
ホルマリン液
15% 蒸留水
ホルマリン
17 L
3 L
5.8~6.1% 067-03855
065-03851
063-03857
500 mL
1 L
20 L
20%
ホルマリン液
20% 蒸留水
ホルマリン
16 L
4 L
7.6~8.2% 068-03863
064-03865
062-03861
060-03867
200 mL
500 mL
1 L
20 L
10%中性緩衝
ホルマリン液
10% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
   →蒸留水を加えて1Lとする
100 mL
4.5 g
6.5 g
3.8~4.1% 7.4~7.5 ・「20%>15%>10%」の順に浸透率がよい
・10%:数日以上固定液に置く場合によい
・20%:1~2日程度の固定によい
・15%:両者の中間に属する
062-01661
068-01663
060-01667
1 L
5 L
20 L
15%中性緩衝
ホルマリン液
15% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
   →蒸留水を加えて1Lとする
150 mL
4.5 g
6.5 g
5.8~6.1% 7.35~7.45 069-02391
067-02397
1 L
20 L
20%中性緩衝
ホルマリン液
20% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
   →蒸留水を加えて1Lとする
16 L
4 L
90.5 g
130 g
7.6~8.2% 7.3~7.5 060-01721
066-01723
068-01727
1 L
5 L
20 L
マイルドホルム
10N
10% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
   →蒸留水を加えて1Lとする
100 mL
4.5 g
6.5 g
3.7~4.3% 7.0~7.5 [一般タイプ]
10% 中性緩衝ホルマリン液と同等
133-10311
131-10317
1 L
20 L
マイルドホルム
15N
15% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
   →蒸留水を加えて1Lとする
150 mL
4.5 g
6.5 g
5.6~6.4% [一般タイプ]
15% 中性緩衝ホルマリン液と同等
132-14301
130-14307
1 L
20 L
マイルドホルム
20N
20% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
   →蒸留水を加えて1Lとする
200 mL
4.5 g
6.5 g
7.5~8.5% [一般タイプ]
20% 中性緩衝ホルマリン液と同等
136-10041
134-10047
1L
20L
マイルドホルム
10NM
10% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
メタノール
    →蒸留水を加えて1Lとする
100 mL
4.5 g
6.5 g
100mL
3.7~4.3% 7.0~7.5 [迅速タイプ]
10% 中性緩衝ホルマリン液の2倍以上
132-10521
130-10527
1 L
20 L
マイルドホルム
20NM
20% ホルマリン
りん酸一ナトリウム・2水和物
りん酸二ナトリウム・無水
メタノール
   →蒸留水を加えて1Lとする
200 mL
4.5 g
6.5 g
200 mL
7.5~8.5% [迅速タイプ]
20% 中性緩衝ホルマリン液の2倍以上
139-10531
137-10537
1 L
20 L

▼「病理学実験」関連製品については下記をご覧ください。