CLARITY・PACT関連試薬

「CLARITY」は、新規組織透明化方法として、スタンフォード大学のKarl Deisseroth博士らよりNature誌で2013年3月に発表されました。 CLARITYは、蛍光タンパク質や抗体を用いた免疫染色が可能であることから、脳神経回路の解析に有用なツールであることが期待されています。

その後、「PACT(passive clarity technique)」が、2014年に発表されました。ビスアクリルアミドの除去と界面活性剤濃度を増加させることで、電気泳動を実施せずに受動的な組織透明化を実現しました。

VA-044は、論文プロトコルの透明化工程で使用される試薬になります。

参考文献

  1. Chung, K. et al. : Nature, 497, 332(2013).
  2. Yang, B. et al., : Cell, 158(4), 945(2014).
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プロトコル

CLARITYプロトコル例

● Hydrogel Monomer Solution組成
  • VA-044・・・・・・・・・・・ 1 g
  • 40 %アクリルアミド ・・・・・40 mL
  • 2 %ビスアクリルアミド・・・・10 mL
  • 10 × PBS ・・・・・・・・・・40 mL
  • 16 %パラホルムアルデヒド・・ 100 mL
  • サポニン・・・・・・・・・・・200 mg
  • 水・・・・・・・・・・・・・・210 mL
● 電気泳動バッファー組成
  • ほう酸・・・123.66 g
  • SDS・・・・400 g
  • NaOH ・・・pH8.5になるように調整
  • 水・・・・・10 Lまでメスアップ
● 脂質除去電気泳動槽
  • Electrophoresis Chamber For Lipid Extraction(日本エイドー)
● 循環ポンプ
  • GPU-1、GPU-2(アズサイエンス)

PACTプロトコル例

● A4P0組成
  • VA-044・・・・・・・・・・・0.25%
  • アクリルアミド ・・・・・4%
  • 上記を含むPBS溶液
● RIMS組成(RI 1.46)
  • tween 20・・・0.1%
  • アジ化ナトリウム・・・・0.01%
  • 上記を含む0.02 M PBS・・・30 mL
  • イオヘキソール・・・40 g
  • NaOH ・・・pH7.5になるように調整

アプリケーションデータ

CLARITY処理によるマウス脳

CLARITY処理によるマウス脳

CLARITY処理したマウス脳イメージング

CLARITY処理したマウス脳イメージング

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図2. CLARITY処理したThy1-YFP(H Line) マウス大脳の蛍光観察
(A) 脳皮質から海馬までの3-D観察画像
(B) 大脳皮質Ⅴ層の錐体細胞の樹状突起画像

撮影条件:2光子
使用機材:Evident FV1000 正立顕微鏡、25倍液浸対物レンズ

CLARITY処理 + 抗体を用いたマウス脳イメージング

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図3. CLARITY処理後、Iba1抗体で染色したThy1-YFP(H Line) マウス大脳の蛍光観察
(A) 脳皮質中のミクログリア細胞3-D観察画像
(B) 皮質Ⅰ層を表層から観察した画像

撮影条件:1光子
使用機材:Evident FV1000 正立顕微鏡、25倍液浸対物レンズ

製品一覧

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CLARITY関連試薬

電気泳動槽

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