サイトカイン
腫瘍壊死因子(TNF)
腫瘍壊死因子(TNF:Tumor Necrosis Factor)は、当初は腫瘍の壊死を引き起こす因子として認識され命名されましたが、近年、自己免疫疾患において重要な機能を持つことが示されているサイトカインの一種です。特にTNF-αは炎症反応の主な調節因子として働き、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory bowel disease)などの自己免疫疾患や炎症性疾患の発症に関与しているとされています。細胞死、自己免疫疾患、がん、炎症などの研究に使用されます。
当社では、製造工程(大腸菌の培養・精製工程)において動物由来原料を使用していないアニマルフリーサイトカインや、使用量の多い方向けに大入り包装のバルク製品もラインアップしております。
製品ラインアップ
※太字はバルク包装品です。
| 通常品 | アニマルフリー品 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| ヒト | マウス | ラット | ヒト | マウス | |
| TNF-α | 203-15263 207-15261201-15264  | 
201-13461207-13463 | 203-14261209-14263 | 200-21621206-21623 | 207-21631203-21633 | 
| TNF-β | 201-18961 | ||||
| TNFSF4 / OX40L | 152-03031 | ||||
| TNFSF5 / sCD40L | 039-22891035-22893 | ||||
| TNFSF6 / CD95L | 064-05881 | ||||
| TNFSF8 / CD30L / CD153 | 039-22391 | ||||
| TNFSF9 / CD137L | 021-17541 | ||||
| TNFSF13 / APRIL | 011-23231 | ||||
| TNFSF13B / BAFF | 025-15121 | ||||
| TNFSF18 / AITRL | 014-19671 | ||||
| TNFR2 | 202-15691 | ||||
| TNFRSF9 / CD137 | 025-17561 | ||||
| TNFRSF12A / FN14 | 204-18951 | ||||
| TNFSFR14 / HVEM-Fc | 083-09591 | ||||
| TRAIL / Apo2L | 205-14841 | ||||
腫瘍壊死因子 (TNF)類の各種機能・働き
- TNF-α
 - 
- 別名:TNFSF2、Necrosin、DIF
 - 腫瘍細胞への傷害
 - 他のサイトカイン(例,IL-1,GM-CSF,IFN-γ)の分泌誘導
 - マクロファージ活性化(炎症惹起)
 - 抗ウイルス活性
 
 
- TNF-β
 - 
- 別名:TNFSF1、リンホトキシン-α(LT-α)
 - 炎症や免疫反応を誘導
 - 細胞増殖、分化、アポトーシスに関与
 
 
- TNFSF4
 - 
- 別名:OX40L、CD252
 - NFκBを活性化
 - RANTES,IL-2,IL-3及びIFN-γなどの発現を増加
 - 免疫疾患、炎症性疾患の発現調整に関与
 
 
- TNFSF5
 - 
- 別名:sCD40L、TRAP、CD154、gp39
 - B細胞増殖の亢進
 - 免疫グロブリンのクラススイッチ誘導を促進
 - 抗原提示細胞の活性化
 
 
- TNFSF6
 - 
- 別名:CD95L、sFasL、APTL
 - 炎症細胞の除去
 - アポトーシスの誘導
 - T細胞を介する細胞障害性に関与
 
 
- TNFSF8
 - 
- 別名:CD30L、CD153
 - T細胞およびB細胞のアポトーシス誘導
 - 細胞増殖、活性化、分化などにも関与
 
 
- TNFSF9
 - 
- 別名:CD137L、4-1BBL
 - T細胞の活性化、増殖、IL-2分泌において共刺激シグナルとして働く
 
 
- TNFSF13
 - 
- 別名:TNFSF13A、APRIL、TRDL-1α
 - B細胞およびT細胞の増殖促進
 - アポトーシスの誘導
 
 
- TNFSF13B
 - 
- 別名:BAFF、BLyS、TALL-1、THANK
 - B細胞やT細胞の刺激に関与
 - B細胞の増殖と分化を促進
 - T細胞の活性化と生存を促進
 
 
- TNFSF18
 - 
- 別名:AITRL
 - T細胞増殖とアポトーシスの誘導
 
 
- TNFR2
 - 
- 別名:TNF receptor Ⅱ
 - TNF-αの代謝効果の仲介
 
 
- TNFRSF9
 - 
- 別名:CD137/4-1BBR
 - T細胞の活性化や増殖における共刺激シグナルを供給
 
 
- TNFRSF12A
 - 
- 別名:FN14/TWEAKR
 - アポトーシスの誘導
 - 細胞増殖や血管新生を刺激
 - 炎症性サイトカインの誘導
 
 
- TNFRSF14
 - 
- 別名:HVEM-Fc
 - T細胞の増殖とサイトカイン産生を刺激
 
 
- TRAIL
 - 
- 別名:Apo2L
 - 形質転換細胞や腫瘍細胞のアポトーシス誘導
 - NFκB活性化を誘導
 
 
参考文献
Jang, D. et al.: Int. J. mol. Sci., 22(5), 2719 (2021). DOI: 10.3390/ijms22052719
 The Role of Tumor Necrosis Factor Alpha (TNF-α) in Autoimmune Disease and Current TNF-α Inhibitors in Therapeutics.
製品一覧
- 項目をすべて開く
 - 項目をすべて閉じる
 
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
 - 掲載されている製品について
- 【試薬】
 - 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
 - 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
 - 【医薬品原料】
 - 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
 
 - 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
 - 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。
 
Share
