TNF-α ELISAキット
TNF-α (Tumor necrosis factor-α) は157のアミノ酸から構成される炎症性サイトカインで、マウスに移植した腫瘍に対して出血性壊死を誘導する因子として同定されました。また、様々な免疫機能の賦活化やアポトーシス誘導による感染防御・抗腫瘍作用があることが明らかにされており、関節リウマチ、炎症、糖尿病など様々な疾患にも関与します。
当社では、ヒトやマウスの血清・血漿中のTNF-αを高感度かつ特異的に測定できるELISAキットをラインアップしています。
TNF-αとは?
TNF-α (Tumor necrosis factor-α) は157のアミノ酸から構成される炎症性サイトカインで、マウスに移植した腫瘍に対して出血性壊死を誘導する因子として同定されました。また、様々な免疫機能の賦活化・アポトーシス誘導による感染防御・抗腫瘍作用があることが明らかにされています 1)。
TNF-αは、活性化されたマクロファージ、B細胞、T細胞、線維芽細胞など、多様な細胞で産生されており、細胞表面Ⅱ型ポリペプチドである膜貫通型TNF-αを前駆体として可溶性TNF-α変換酵素 (TACE) などによって可溶性TNF-αが生成されます。可溶性TNF-α は2種類の受容体 (TNFR1、TNFR2) に結合しアポトーシスの誘導や抗体産生亢進などの生理活性を示します 2)。 TNFR1はほぼすべての細胞に普遍的に発現しており、TNFR2は主に免疫細胞に発現しています。 さらに、TNF-αは核内移行や遺伝子転写制御を担う転写因子のNF-кBの活性化を誘導することも知られています 3)。
TNF-αは大型化した脂肪細胞で分泌が亢進され、インスリンの作用を阻害しインスリン抵抗性を高める要因として糖代謝関連分野でも注目されています。その他、関節リウマチ、炎症、糖尿病、高脂血症、腎症、敗血症、骨粗鬆症、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) などの多くの疾患と関与することが報告されています。
レビス™ Human TNF-α ELISA Kit
レビス™ Human TNF-α ELISA Kitは、ヒトTNF-αを定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。検体中のTNF-αを特異的かつ高感度に測定することができます。キットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
キット性能
測定対象 | TNF-α |
---|---|
検量線範囲 | 2.05-500 pg/mL |
測定対象検体 | ヒト 血清/血漿 (EDTA・ヘパリン)/細胞培養上清※ |
必要検体量 | 50 μL (2倍希釈) |
測定時間 | 約3時間50分 |
検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
※測定可否は培地や細胞種、培養条件によって異なります。
あらかじめ使用する培地について添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。
検量線例
ヒト血清・血漿 TNF-αの測定例
検体 No. |
血清 | 血漿 (EDTA) |
血漿 (ヘパリン) |
|||
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本製品 (pg/mL) |
他社製品 (pg/mL) |
本製品 (pg/mL) |
他社製品 (pg/mL) |
本製品 (pg/mL) |
他社製品 (pg/mL) |
|
1 | 2.15 | N.D. | 7.66 | N.D. | 2.39 | N.D. |
2 | 19.5 | N.D. | 19.2 | 12.55 | N.D. | N.D. |
3 | (1.78) (参考値) |
N.D. | 2.17 | N.D. | 2.87 | N.D. |
4 | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. |
5 | 3.26 | N.D. | N.D. | N.D. | 1.63 (参考値) |
N.D. |
6 | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. |
7 | (1.75) (参考値) |
N.D. | 9.77 | N.D. | 1.89 (参考値) |
N.D. |
8 | N.D. | N.D. | N.D. | N.D. | 1.65 (参考値) |
N.D. |
9 | N.D. | N.D. | 2.17 | N.D. | 2.38 | N.D. |
10 | (1.54) (参考値) |
N.D. | 1.49 (参考値) |
N.D. | 1.93 (参考値) |
N.D. |
N.D.: 検量線下限値以下
[結果]
本製品は、他社製品において検量線下限値を下回るような検体でも、TNF-αを測定することができた。
レビス™ Mouse TNF-α ELISA Kit
レビス™ Mouse TNF-α ELISA Kitは、マウスTNF-αを定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。マウス血清・血漿中のTNF-αを特異的かつ高感度に測定することができます。キットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
キット性能
測定対象 | TNF-α |
---|---|
検量線範囲 | 3.58-700 pg/mL |
測定対象検体 | マウス血清/血漿 (EDTA・ヘパリン) |
必要検体量 | 25 μL (2倍希釈) |
測定時間 | 約3時間50分 |
検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
検量線例
マウス血清・血漿 TNF-αの測定例
サンプル: BALB/c、オス、8週齢、16時間絶食
検体 No. |
血清 | 血漿 (EDTA) |
血漿 (ヘパリン) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
本製品 (pg/mL) |
他社製品 (pg/mL) |
本製品 (pg/mL) |
他社製品 (pg/mL) |
本製品 (pg/mL) |
他社製品 (pg/mL) |
|
1 | 5.1 | N.D. | 3.2 | N.D. | 4.66 | N.D. |
2 | 3.72 | N.D. | 3.61 | N.D. | 3.39 | 3.56 (参考値) |
3 | 4.49 | N.D. | 3.66 | N.D. | 4.24 | N.D. |
4 | 3.84 | N.D. | 1.47 (参考値) |
N.D. | 3.25 | N.D. |
5 | 4.2 | N.D. | 5.04 | N.D. | 2.77 | 4.08 (参考値) |
N.D.: 検量線下限値以下
[結果]
本製品は、他社製品において検量線下限値を下回るような検体でも、TNF-αを測定することができた。
参考文献
- 岡田 正治:循環器専門医, 7(2), 259(1999).
腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor-α : TNF-α) - Horiuchi, T. et al.: Rheumatology., 49(7), 1215(2010)
Transmembrane TNF-α : structure, function and interaction with anti-TNF agents - 日向あすか、堀口英之、八上公利、安原理佳、趙宝紅、山田篤、南雲正男 : 昭和歯学会雑誌, 26(2), 125(2006)
ヒト軟骨細胞様細胞 (USAC) のTNF-α誘導 アポトーシスにおけるNF-кBの役割
製品一覧
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TNF-α ELISAキット (ヒト)
TNF-α ELISAキット (マウス)
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