IL-6 ELISAキット
インターロイキン-6 (IL-6 : Interleukin 6) はB細胞を抗体産生細胞に分化させる炎症性サイトカインであり、免疫応答、炎症反応、抗体産生など幅広く重要な役割を果たします。また、関節リウマチなどの自己免疫疾患や、痛風など炎症性疾患、ARDS (急性呼吸窮迫症候群) の原因となるサイトカインストームの発生機序にも関与しており、治療標的として注目されています。
当社では、ヒトやマウス検体中のIL-6を高感度かつ特異的に測定可能なELISAキットをラインアップしています。
IL-6とは?
インターロイキン-6 (IL-6 : Interleukin 6) はB細胞を抗体産生細胞に分化させる炎症性サイトカインであり、免疫応答、炎症反応、抗体産生など幅広く重要な役割を果たすことが知られています。T細胞、単球、線維芽細胞、ケラチノサイト、内皮細胞などのさまざまな細胞によって産生・分泌され、IL-6受容体αと細胞膜表面のシグナル伝達分子gp130で構成される受容体と結合しシグナル伝達を行います。 また、IL-6下流のシグナル経路としてはgp130のチロシン残基に結合するJAK2と、細胞質に存在するSTAT3の活性化によりさまざまな遺伝子群の転写活性化を引き起こすIL-6/JAK2/STAT3経路がよく知られています 1)。
IL-6は関節リウマチなどの自己免疫疾患や、痛風など炎症性疾患、新型コロナウイルス感染症で生じるARDS (急性呼吸窮迫症候群) の原因となるサイトカインストームの発生機序にも関与しています。 関節リウマチにおけるIL-6の作用の一例として、T細胞の活性化、リウマチ因子や抗CCP抗体 (ACPA) の産生、CRPの増加、貧血や血小板の増加、破骨細胞の分化、MMP産生による軟骨破壊、VEGF産生による滑膜血管新生があります 2)。 新型コロナウイルス感染症と関連するサイトカインストームは、転写因子のNF-кBとSTAT3の協調作用でIL-6の増幅回路が活性化、炎症性サイトカインが異常に増幅するという機序で発生し、IL-6/STAT3経路が治療標的として注目されています 3)。
レビス™ Human IL-6 ELISA Kit
レビス™ Human IL-6 ELISA Kitは、ヒトIL-6を定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。検体中のIL-6を特異的かつ高感度に測定することができます。キットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
キット性能
| 測定対象 | IL-6 |
|---|---|
| 検量線範囲 | 1.16 - 500 pg/mL |
| 測定対象検体 | ヒト 血清/血漿 (EDTA・ヘパリン)/細胞培養上清※ |
| 必要検体量 | 50 μL (2倍希釈) |
| 測定時間 | 約3時間50分 |
| 検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
- 測定可否は培地や細胞種、培養条件によって異なります。
あらかじめ使用する培地について添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。
検量線例

ヒト血清 IL-6の測定例
| 検体No. | 本製品 (pg/mL) | 他社製品A (pg/mL) |
|---|---|---|
| 1 | 9.27 | N.D. |
| 2 | N.D. | N.D. |
| 3 | N.D. | N.D. |
| 4 | 4.74 | 5.42 |
| 5 | 7.95 | 4.12 |
| 6 | 3.50 | N.D. |
| 7 | 3.15 | N.D. |
| 8 | 125 | 141 |
| 9 | 0.862 | N.D. |
| 10 | 35.3 | 5.50 |
| 測定できた検体の割合 (測定値が検量線範囲内) |
7/10検体 | 4/10検体 |
N.D.: 検量線下限値以下
赤字 : 検量線範囲内で測定できた検体、範囲外の検体は参考値を記載
[結果]
本製品は、他社製品において検量線下限値を下回るような検体でも、IL-6を測定することができた。
レビス™ Mouse IL-6 ELISA Kit
レビス™ Mouse IL-6 ELISA Kitは、マウスIL-6を定量的に測定するためのサンドイッチELISAキットです。検体中のIL-6を特異的かつ高感度に測定することができます。キットに含まれる標準品は大腸菌のリコンビナントタンパク質であり、カルタヘナ法非該当です。
キット性能
| 測定対象 | IL-6 |
|---|---|
| 検量線範囲 | 2.05-500 pg/mL |
| 測定対象検体 | マウス 血清/血漿(EDTA)/培地 (D-MEM他)※ |
| 必要検体量 | 25 μL (2倍希釈) |
| 測定時間 | 約3時間50分 |
| 検出法 | 発色系 (主波長: 450 nm/副波長: 620 nm) |
- 培地に標準品を添加した検体で検証しています。
測定可否は培地や細胞種、培養条件などによって異なります。細胞培養上清を検体として使用する場合には、あらかじめ実験前に使用する培地にて添加回収試験や希釈直線性試験を行ってください。
検量線例

マウス血清 IL-6の測定例
| 検体No. | 本製品 (pg/mL) | 他社製品A (pg/mL) |
|---|---|---|
| 1 | 1.71 | 検出不可 |
| 2 | 6.50 | 5.52 |
| 3 | 6.39 | 9.02 |
| 4 | 7.01 | 7.67 |
| 5 | 9.67 | 7.53 |
| 測定できた検体の割合 (測定値が検量線範囲内) |
4/5検体 | 1/5検体 |
赤字 : 検量線範囲内で測定できた検体、範囲外の検体は参考値を記載
[結果]
本製品は検出感度が高く、5検体中4検体を検量線範囲内で検出することができた。
参考文献
- 大野雄康、小谷穣治 : エンドトキシン・自然免疫研究, 25, 37(2024)
IL-6/JAK2/STAT3 シグナルと骨格筋萎縮 - 緒方篤 : Clin Rheumatol, 27, 228(2015)
関節リウマチにおけるIL-6阻害治療 - Hirano.T et al.: immunity., 52(5), 731(2020)
COVID-19: A New Virus, but a Familiar Receptor and Cytokine Release Syndrome
製品一覧
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IL-6 ELISAキット (ヒト)
IL-6 ELISAキット (マウス)
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