薬物動態試験
富士フイルム富山化学で確立した豊富な創薬研究アセットを活用し、お客様の創薬モダリティの各種薬物動態試験を実施いたします。
ヒトiPS細胞由来の文化細胞等のヒト由来資料を用いたサービスを中心にお客様の研究をトータルでサポートいたします。
記載の試験以外にも、試験デザインの提案や構築、各種試験材料を用いたカスタム試験も対応可能ですので、お問い合わせください。
豊富な経験と実績

パイプラインのGLP試験および非臨床研究に取り組み、当社の医薬品創製をリードいたしました
先進性

先端科学に創薬知を融合させ、多様な創薬モダリティの性能評価を可能にいたします
薬物動態(ADME)試験とは
薬物動態試験とは、医薬品候補物質が体内でどのように吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)されるかに関する詳細な情報を得るための試験を指します。
この試験の目的は主に、新薬の安全性と有効性を評価するために必要な情報を提供することです。薬物動態試験は新薬の開発プロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。
各試験の目的

吸収 (Absorption)
目的:薬物が投与部位(経口摂取など)からどの程度吸収されて血液循環に入るかを評価します。
試験内容:消化管からの吸収率や吸収速度、バイオアベイラビリティ(生体内利用率)を測定します。
代謝 (Metabolism)
目的:薬物が体内でどのような酵素で代謝され、どのような代謝産物(代謝物)が生成するかを評価します。
試験内容:主に肝臓での代謝経路(フェーズI:酸化・還元、フェーズII:抱合など)を調査し、代謝物の活性が強い(または毒性がある)かを確認します。
分布 (Distribution)
目的:薬物が血中から体内の組織や臓器へどのように分布するか、また特定の部位に蓄積するかを評価します。
試験内容:血液脳関門の通過性、血漿たんぱく結合率などを測定します。
排泄 (Excretion)
目的:薬物や代謝産物が体外へどのように排泄されるかを評価します。
試験内容:主に尿や胆汁、糞便、呼気などを通じた排泄率や排泄経路を調べます。
ご提供サービス例
【薬物動態試験】
吸収・分布・代謝・排泄の各段階についてさまざまな項目の試験実施が可能です。
記載のない試験についても、試験デザインのご提案・各種試験材料を用いたカスタム試験が対応可能ですので、お問い合わせください。
・吸収:Absorption
血中濃度測定 (マウス/ラット) | マウス/ラットへの被験物質の投与から採血や臓器採取などの採材、その後の濃度測定を実施いたします。薬物動態パラメータの算出やPKシミュレーション等を実施可能です。 (マウス/ラット以外の動物種についてはご相談ください。) |
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In vitro吸収性評価 | ヒトiPS細胞由来腸管上皮F-hiSIECを用いた吸収性評価の他、人工膜や株化細胞※を用いた膜透過性試験を実施いたします。 ※Caco-2を除く |
・分布:Distribution
臓器中濃度測定 | 被験物質をマウス/ラットに投与し、採材した臓器中の被験物質濃度を測定いたします。 |
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タンパク結合率 | 被験物質のタンパク結合率を平衡透析法、その他限外ろ過法を用いたin vitroで評価いたします。マウス・ラットではin vivo (ex vivo) での評価も実施可能です。 血漿/血清に加え、精製タンパクを用いて評価いたします。 |
血球移行率 | 被験物質の血球移行率をIn vitroで評価いたします。 |
発光・蛍光イメージング | イメージングシステムを用いた発光・蛍光物質の分布評価が可能です。 |
中枢移行性評価 | iCell BBBキットを用いた評価化合物の血球成分への移行率を評価いたします。 |
・代謝:Metabolism
代謝安定性試験 | LC/MS/MSを用いて代謝酵素との安定性を評価いたします。 |
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薬物代謝酵素阻害試験 | ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験系によりCYP等の薬物代謝酵素に対する阻害作用を評価いたします。その他の酵素源も実施可能です。 |
代謝酵素誘導試験 | 被験物質の代謝酵素誘導能(CYP1A2、CYP2B6およびCYP3A4)をmRNA発現量で評価いたします |
代謝物プロファイリング・構造推定 | 被験物質から生成する代謝物をHPLC、LC/MS/MSで評価いたします。 |
薬物代謝酵素同定 | 被験物質の代謝に関与する代謝酵素をLC/MS/MSで評価いたします。 |
相互作用試験 | In vitro / in vivoにて薬物間相互作用(代謝・トランスポーター評価等)を評価いたします。 |
・排泄:Excretion
尿中、胆汁中、糞中排泄 | 採取した試料中に含まれる対象物の濃度をHPLC、LC/MS(MS/MS) を用いて評価いたします。 |
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【バイオアナリシス】
創薬研究で実施してきた知見を活用し、生体試料中の各種成分分析を実施いたします。
新規分析法開発 | LC-MS/MS法を中心に、医薬品候補の化合物やその代謝物等の濃度測定法を開発いたします。 |
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分析法バリデーション | 各種規制(MHLW, FDA, EMA, ICH)から発出されるガイドラインに従い、それらに記載されている評価項目を確認して分析法の性能を評価いたします。 |
薬物濃度測定 | ヒトを含む各種動物の生体試料中化合物濃度測定、代謝物検索/構造推定・同定を実施いたします。(標準品がある場合) |
細胞特性解析 | フローサイトメトリーを用いて細胞種などの特性解析を実施いたします。 |
サービス | メーカー |
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iCell® BBB(血液脳関門)を用いた透過性試験 | 富士フイルム富山化学株式会社 |
膜透過性評価試験受託サービス | 富士フイルム富山化学株式会社 |