レボルカ社が開発した人工知能による予測を組み込んだ最新のタンパク質工学技術、aiProtein® を利用し、抗原結合性への影響を最小限に、抗体の発現量・安定性などの複数の特性値をバランスよく同時に向上させるサービスです。aiProtein® では、レボルカ社独自のノウハウにより作製される変異体データを学習データとして使用し、最新の人工知能技術により高機能抗体を高い成功確率で予測、作製します。IgG、scFv及びVHHなど複数の抗体フォーマットの高機能化やヒト化、ヒト化により失われた親和性の回復などへの対応が可能です。
以下の項目に対する抗体高機能化が可能です
- 安定性の向上
 - 発現量の増加
 - 溶解度の向上
 - 親和性の回復
 - その他タンパク質物性(要相談)
 
サービスとお客様への成果物について
- 事前にご希望の特性値について技術的な打ち合わせをさせていただきます。
 - 野生型抗体遺伝子配列のご提供から高機能化抗体の提供までの納期は8-11ヶ月となります。
 - 高機能化抗体としてレボルカ社ラボにおいて実験的に検証した変異体アミノ酸配列及びその特性データを複数提供いたします(5種類程度)。
 
抗体高機能化サービス実施詳細
人工知能予測に使用する学習データ作製
- お客様から野生型抗体のアミノ酸配列データを提供いただきます。
 - レボルカ社独自のノウハウにより、人工知能予測に必要な変異体をデザインします。
 - 変異体の発現・精製、特性評価(発現量、安定性)は、お客様の要望に沿ってレボルカ社ラボにて実施いたします。
 
人工知能による配列予測と予測された高機能化抗体の実証試験
- 作製した学習データを使用し、レボルカ社独自の人工知能技術により高機能化抗体の配列を予測します。
 - 予測された高機能化抗体の発現・精製及び特性評価をレボルカ社ラボにて行います。
 - 最終納品物として aiProtein® により作製された変異体のアミノ酸配列及びその特性データを提供いたします。
 - 標準納期は8-11か月となります。ただし難易度によって変動する場合がございます。
 
サービスの流れ

実施例
実施例①:モノクローナル抗体の高安定、高発現化
安定性の向上

抗体を60℃で一定時間(0, 6, 12hr)処理した後、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析しました。 また、Differential scanning calorimetryによる熱変性温度(Tm) の測定も行いました。aiProtein®により作製された変異体抗体は、優れた熱安定性を示しました。
発現量の向上

哺乳類細胞発現系(Expi293F細胞)を用いて抗体を一過性分泌発現させ、アフィニティー精製しました。 aiProtein®により作製された変異体抗体は、約150 mg/Lの収量を示しました。
結合性の維持

抗原分子への解離定数を表面プラズモン法で測定しました。 aiProtein®により作製された変異体抗体は、野生型抗体と同等の結合性を示しました。
実施例②: 難溶性単鎖可変領域断片(scFv)の可溶体化
2種類のscFv(左:scFv-A、右:scFv-B)
scFv-A

scFv-B

大腸菌BL21(DE3)において分泌発現させ、アフィニティー精製後、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により単量体画分を回収しました。SDS-PAGEにより分析したところ、可溶性scFvがほとんど得られない野生型に比べ、 aiProtein®により作製された変異体(scFv-A:1種類、scFv-B:2種類)では可溶性分子収量の大幅な改善が認められました。定量したところ、scFv-Aでは、1 mg/L 程度、scFv-Bでは、変異体1で0.5 mg/L、変異体2で1.7 mg/Lの収量を達成していました。scFv-Bでは、抗原への結合性が野生型と同等に維持されていることも確認しています(scFv-A:未評価)。
実施例③ : モノクローナル抗体の高溶解、高発現化
溶解性の向上

13%PEG4000溶液での抗体の飽和濃度を比較しました。 aiProtein®により作製された変異体抗体は、野生型に比べ高い溶解性を示しました(左)。タンパク質のコロイド安定性指標として利用される第2ビリアル係数も高い値を示しました(右)。また、抗原への結合性を維持できていることも確認しています。
発現量の向上

哺乳類細胞発現系(Expi293F細胞)を用いて抗体を一過性分泌発現させ、アフィニティー精製しました。 aiProtein®により作製された変異体抗体は、約180 mg/Lの収量を示しました。
実施例④ : ヒト化VHH抗体の高発現、高安定
発現量の向上

大腸菌BL21(DE3)を用いて野生型と変異体VHHを発現し、アフィニティー精製しました。SDS-PAGEによる発現量の比較(左)、サイズ排除クロマトグラフィーによる単分散性及び収量比較(右)を示しました。 aiProtein®により作製された変異体VHHでは単分散性を保ったまま発現量が大きく向上していることが確認されました。
安定性の向上

精製VHH試料を用いてThermal shift assayによる熱変性温度(Tm)を測定し、野生型及び変異体VHHの熱安定性を評価しました。 aiProtein®により作製された変異体VHHでは熱安定性が大きく向上していることが確認されました。
実施例⑤: Diabodyの高発現、高安定化
発現量の向上

大腸菌BL21(DE3)を用いて野生型と変異体Diabodyを発現し、アフィニティー精製しました。精製試料をSDS-PAGEで分析し、CBB染色による定量評価で発現量を比較しました。 aiProtein®により作製された変異体Diabodyでは発現量が向上していることが確認されました。
安定性の向上

精製Diabodyを用いて、Differential scanning calorimetryによる熱変性温度(Tm)を測定し、野生型及び変異体の熱安定性を評価しました。 aiProtein®により作製された変異体Diabodyでは熱安定性が大きく向上していることが確認されました。
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