Macro Mass Photometry法微粒子分布測定装置 KaritroMP
Refeyn / レフェイン・ジャパン
- 大型ウイルスベクターおよびVLPの特性評価
- 微粒子のサイズおよび質量分布の測定
- 半自動ワークフロー
- 簡単なセットアップと測定操作
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概要
KaritroMPは、大型のウイルスベクターやウイルス様粒子 (VLP) を迅速に特性評価することが可能な装置です。サンプル中に存在する粒子のサイズと質量の分布を数分で可視化できます。KaritroMPは、ラベルを必要としない高速な単一粒子解析であるMacro Mass Photometry法を採用しています。この技術は、Mass Photometry法の原理を基盤としています。
KaritroMPは、革新的なMacro Mass Photometry法を活用したKaritroMPのユニークな機能により、速度、使いやすさ、得られる情報において優れています。以下のようなプロセス開発を最適化するための情報を提供します。
- Full / Empty カプシド比
- 粒子の形態 (サイズ分布)
- サンプル純度
- ベクターの安定性/劣化
特長
100 nm前後の粒子の迅速な個数基準測定
- レンチウイルスやアデノウイルスなど大きなウイルス様粒子の Full / Empty 比率の測定が可能です。
- 一度の測定で粒子サイズと分子量に比例したコントラスト値を算出します。
- サンプルの純度、均一性を算出します。
- 質量 (密度) 違いによる粒子の特性解析が可能です。

完全溶液系、非ラベルでの計測
- 分離媒体を必要とせず、ラベル化も必要有りません。天然に近い状態で測定が可能です。
- 分析装置とサンプルは完全非接触のため、汚染されることがありません。
- フロー系を一切使用しないバッチ式での測定です。

超微量、短時間、セミオートを実現
- 極微量の至適濃度と容量で測定可能です。(109 個/mL、5 μL)
- 1サンプル 6分以内に結果を算出します。
- 一度のセッティングで最大 13サンプルの試料を搭載し、セミオートでの分析を実現します。
Macro Mass Photometry
Macro Mass Photometry 概要
Macro Mass Photometryは、Mass photometryの原理に基づく新しい技術で、より大きなウイルスベクター (アデノウイルスなど)、ウイルス様粒子 (VLP)、脂質ナノ粒子のサンプルを特徴付けます。一度の測定で粒子の質量とサイズを取得でき、2つの測定原理で構成されています。
①Mass photometry法による粒子質量の測定
スライドグラス上に吸着した粒子に対し装置下側からレーザー光を照射します。
散乱光と反射光の解析により粒子の相対質量を算出します。
Mass photometryの原理についてはTwoMPを参照ください。
②ステージ移動および散乱強度計測による粒子サイズの測定
スライドグラス上に吸着した粒子に対し、サンプルステージのZ軸方向をずらしフォーカス変えていきます。
シグナル強度の変化から粒子中心までの距離を測定し、粒子のサイズを算出します。


Macro Mass Photometry法ではサンプルの質量とサイズの情報がプロットされます。左図のように、同じ粒子サイズでも質量の異なるサンプル、同じ質量でもサイズの異なるサンプルが区分けされます。
アプリケーション
アデノウイルス (AdV) の Full / Empty 比率解析
KaritroMPは、同じサイズで質量が異なる粒子の集団を区別することができます。例えば、アデノウイルスのEmptyカプシドとFullカプシドを分離し、その比率を定量化することができます。

サイズ分布 (青)
- 75 nmを中心としたピークおよび30 nm付近の ピークの 2つが観察される
- 75 nmのピークはAdVのピーク、30 nmのピークはコンタミナントと思われる
コントラスト分布 (赤)
- 0.1 を切るコントラスト (コンタミナント) に加え、0.1 - 0.2 の領域の集団 (エリア B)、0.25 - 0.3 の領域の集団 (エリアA) を検出した
- エリアAがFull、エリアBがEmptyと思われる
- また、それぞれの存在比率が次のように算出された
Full : 35.7±8.2%
Empty : 11.0±2.6%
KaritroMPと他分析方法との比較
Macro Mass Photometryと他の手法で得られた分析結果を比較検証しました。0%から100%の充填率を有するAdVカプシドサンプルを、以下の4つの手法で分析しました。
- 超遠心分析 (AUC)
- 電子顕微鏡 - ネガティブ染色 (nsEM)
- デジタルPCR:陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー (dPCR : AEX-HPLC)
- SDS変性 (A260 : A280)
Macro Mass Photometry、AUC、およびnsEMは互いに一致し、期待値 (y=x、破線の中間灰色線) とも一致しました。
一方、dPCR : AEX-HPLCはほとんどの混合物において % Full を過大評価し、A260 : A280は過小評価しました。
Macro Mass Photometry、nsEM、およびA260 : A280では、エラーバーは3回測定の標準偏差 (SD) です。他の手法では単一測定が行われました。
データはオックスフォード大学のJenner Instituteで取得されました。
KaritroMPは、AUC、nsEMに匹敵するデータを、数分の測定時間、ノンラベル、少量のサンプルで取得することができます。

その他のアプリケーションはこちら
仕様
| 原理 | Macro Mass photometry 法 |
|---|---|
| サイズレンジ | 40 - 150 nm (直径換算) |
| 至適濃度 | 108 - 109 particles/mL |
| 必要サンプル量 | 5 μL |
| 測定時間 | 6分以内 / サンプル |
| 1 度にロード可能なサンプル数 | 13 |
| 分解能:Contrast / Size | 5% / 30 nm |
| 測定精度:Contrast / Size | 2% / 5 nm |
| 装置サイズ | 本体:502.5 x 312.5 x 153.25 mm (W x D x H) |
| レーザー波長 | 450 nm |
| 装置重量 | 本体:約 25 kg |
| 電源 | 100 V, 3 口 |
価格表
関連製品
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