抗体関連サービス: モノクローナル抗体作製

B-cell screening技術を用いたウサギモノクローナル抗体作製受託 (タンパク・ペプチド免疫)

富士フイルム和光純薬株式会社

富士フイルムグループ独自の技術 (公開番号:WO2024071374)「B-cell screening」による、ウサギモノクローナル抗体作製サービスです。
抗原となるタンパク質の発現やペプチドの合成から、抗体遺伝子の取得まで一貫してご対応いたします。

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ウサギモノクローナル抗体とは?

ウサギモノクローナル抗体とは、ウサギ由来の免疫系を用いて生成される単一の抗体のことです。ウサギは、その免疫系の特性により、特定の抗原に対して非常に高い特異性と親和性を持つ抗体を生成する能力があります。ウサギ抗体の特性から、基礎研究だけでなく、診断ツールなど、多岐にわたる分野で利用されています。特に、近年では、免疫療法やターゲット療法において、ウサギモノクローナル抗体が治療薬へ応用される可能性が期待されています。

ウサギモノクローナル抗体の特長・メリット

免疫動物として、マウスやラットなどが使われていますが、ウサギを使用するメリットや特長としては下記のことが挙げられます。

1. 高い特異性

ウサギモノクローナル抗体は、ターゲット抗原に対して非常に高い特異性を持つことで知られています。これは、ウサギの免疫系が広範な抗原を認識する能力を持っているためです。高い特異性により、目的の抗原に対して正確に結合し、非特異的な結合を最小限に抑えることができます。これにより、実験や診断において正確な結果を得ることが可能です。

2. 高い親和性

ウサギモノクローナル抗体は、抗原に対する親和性が非常に高いのが特長です。これは、抗原と抗体の結合が強固であり、低濃度の抗原でも効率よく検出することができることを意味します。高い親和性は、感度の高い検出システムを必要とする用途において非常に有用です。

3. 多様なエピトープ認識能力

ウサギの免疫系は、非常に多様なエピトープ(抗原の特定部分)を認識する能力があります。これにより、ウサギモノクローナル抗体は、広範な抗原に対して反応することができ、新規抗原や変異抗原の研究においても有用です。

ウサギモノクローナル抗体の作製技術

ウサギ抗体のモノクローナル化は、技術的な理由から困難とされてきました。特に、モノクローナル抗体作製のゴールデンスタンダードである細胞融合法の効率が悪いことが技術的な壁になっていました。
当社は、細胞融合法ではなく、富士フイルムグループ独自技術(公開番号:WO2024071374)を加えたB-cell screening技術を導入することで、効率的にウサギモノクローナル抗体作製を可能にしました。

本手法を用いた製品化実績

マウス大脳皮質の免疫組織染色
抗Iba1, ウサギモノクローナル抗体(6A4), 組換え体

当社は2023年にウサギモノクローナル抗体である「抗Iba1, ウサギモノクローナル抗体(6A4), 組換え体」 (コードNo. 018-28523)の製品化に成功しました。本抗体はマウス、ラットの免疫組織染色において、従来の抗Iba1, ウサギ(免疫細胞化学用)と同等の染色像を得られることを確認しております。さらにマウス網膜の免疫組織染色においても良好な結果が得られることが報告されています(下記のリンクよりアプリケーションデータをご覧いただけます)。

サービスの流れ

サービスの流れ

Milestone-1 抗原の作製

タンパク質の場合

お客様のターゲットに応じて、適切な発現系をご提案させていただきます。
(ご提案可能な発現系:大腸菌、ブレビバチルス菌、昆虫細胞・バキュロウイルス、哺乳細胞、カイコ無細胞)

ペプチドの場合

当社取り扱いのメーカーにてペプチド合成を実施いたします。

  • 抗原をご提供いただける場合はMilestone-2より実施となります。

Milestone-2 ウサギ免疫

動物への免疫

作製した免疫用プラスミドをウサギに免疫いたします。免疫方法は皮下免疫です。2ヵ月程にわたって免疫を行なった後に抗血清を回収します。抗体価をMilestone-1で作製した抗原、またはお客様からご提供いただいた抗原を用いてフローサイトメーターにより評価します。また、抗血清は個体ごとに回収し、オプションでお客様へ評価用サンプルとしてお送りします。
また、動物実験の第三者認証・非認証施設の選択が可能です。

Milestone-3 B-cell cloningによるモノクローナル抗体作製

B-cell cloning

抗体価が上昇したウサギ個体の脾臓を採取し、脾細胞を取得します。脾細胞を約20万個の穴を持つプレート(チャンバー)に播種し、細胞を1つずつ分離します。
お客様で採取した脾細胞をお送りいただき、Milestone-3から実施することも可能です。

1次スクリーニング

脾細胞を播種したチャンバー内で実施します。チャンバー内に抗原を塗布することで、抗原に結合する抗体を分泌する細胞をスクリーニングします。
(膜タンパクが抗原の場合はこちら)
その後、スクリーニングした細胞をピックし(最大44細胞)、1-cell PCRにより抗体遺伝子を増幅させます。

2次スクリーニング

増幅した遺伝子断片で哺乳細胞に簡易発現させ、ELISAにより抗原結合性を確認します。オプションで、培養上清をお送りし(~数百μL)、お客様で評価いただくことも可能です。

クローニング

6クローンを選択いただき、抗体遺伝子を搭載した発現ベクターを構築します。発現ベクターを用いて、哺乳細胞に一過性発現させ、ELISAにより抗原結合性と発現量を解析します。その後、抗体遺伝子をシーケンスし、抗体遺伝⼦配列情報と、抗体遺伝子が挿入された発現ベクターを納品いたします。

価格・納期

Milestone-1 抗原調製

試験名 納期 希望納入価格
タンパク質発現 別途ご相談ください
ペプチド合成

Milestone-2 ウサギ免疫

試験名 納期 希望納入価格
ウサギ免疫(第3者認証対応)3羽
※AAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)認証施設
2ヶ月~ ※別途ご相談ください
ウサギ免疫(第3者認証非対応)3羽
※ ウサギ=日本白色種の場合の価格。それ以外の系統になる場合は、別途追加料金が発生します。
2ヶ月~ 300,000円
※脾臓回収を実施する場合、別途100,000円が発生いたします。

Milestone-2 オプション

試験名 納期 希望納入価格
免疫動物の羽数追加(4羽以上)​ - お問い合わせください
追加免疫(3羽)​ - お問い合わせください
ELISAによる抗血清評価時の抗原数追加 - 100,000円/抗原​
抗血清サンプル送付​ - 30,000円/回​

Milestone-3 B-cell cloningによるモノクローナル抗体作製

試験名 納期 希望納入価格
B-cell cloningによるモノクローナル抗体作製 2~3ヶ月 3,500,000円

Milestone-3 オプション

試験名 納期 希望納入価格
追加プレートによるスクリーニング
(再度1次スクリーニングを実施)
- 500,000円/回
追加プレートによるスクリーニング
(1cellPCR・2次スクリーニングを実施)
- 1,500,000円/回
培養上清の送付(2次スクリーニング後) - 100,000円
クローニング数の追加(7クローン以上) - 300,000円/クローン
ELISAによるスクリーニングの追加(2次スクリーニング) - 100,000円/抗原
ELISAによるスクリーニングの追加(クローニング) - 100,000円/抗原

納品物

  • 抗体遺伝子配列
  • 抗体遺伝子(ベクター)
  • 培養上清
  • 報告書

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