【総説】高活性第 1 級アルコール酸化触媒:DMN-AZADO
本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.1(2016年1月号)において、名古屋大学大学院創薬科学研究科 澁谷 正俊先生、東北大学大学院薬学研究科 岩渕 好治先生に執筆いただいたものです。
有機ニトロキシラジカル TEMPO を触媒とするアルコールの酸化反応では、基質中に第 1 級アルコールと第 2 級アルコールが共存する場合、第 1 級アルコールが選択的に酸化されることが知られている。
高度に酸素官能基化された天然物や生物活性化合物の合成では、しばしば複数の水酸基を持つ基質の特定の水酸基のみを選択的に変換する必要がある。このような場合、通常保護基を用いて目的以外の水酸基をマスクする...