【総説】中性付近のpHで抗体を効率的に吸着/精製する担体の開発
本記事は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 日本特殊陶業ー産総研ヘルスケア・マテリアル連携研究ラボ 加藤 且也様、日本特殊陶業株式会社 研究開発本部 北村 昌大様に執筆いただいたものです。
血清や細胞培養上清中に存在する抗体、特にイムノグロブリンG (IgG) を精製する場合には、通常IgGのFc領域と強い相互作用を持つプロテインAの結合したアフィニティークロマトグラフィー担体が用いられている。しかし抗体の回収時に用いるpH 2~4 の酸性溶液が、回収後の抗体の凝集や変性を引き起こす原因ともなり、重要な活性を持つ抗体を取得できない場合がある。そのために、抗体回収溶液として酸性溶液を用...