【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第3回 CUBIC を用いた組織透明化と3次元観察」
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.4(2019年10月号)において、東京大学大学院医学系研究科システムズ薬理学教室 洲㟢 悦生様に執筆いただいたものです。
今から 100 年以上も前、ドイツの Spalteholz は有機溶剤のベンジルアルコールとサリチル酸メチルを混合した組織透明化試薬を開発し、ヒト組織を3 次元的に観察した例を報告した 1)(これらのサンプルの一部は現在でもドレスデンの公衆衛生博物館で見ることができる)。その後 1980 年代に入るまで、組織透明化技術の目立った発展や応用例は見られなかったが、1989 年に Dent が Murr...