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連載

分析 連載

【連載】微量元素分析 -さまざまな分野での活用事例とその重要性-「第3回 キ レート樹脂濃縮法による環境水試料の前処理法における注意点」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、環境省 環境調査研修所 藤森 英治様に執筆いただいたものです。

誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)は、極微量レベルの多元素同時分析が可能であり、汎用的な分析機器のうち最も高感度な元素分析法である。環境分析の分野においても、コリジョン・リアクションセル技術の発展に伴い、その適用範囲は急速に拡大している。イミノ二酢酸系キレート樹脂を用いる固相抽出法(キレート樹脂濃縮法)は、遷移金属類の多元素濃縮とアルカリ・アルカリ土類金属の除去が同時に達成できることから、I...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第3回 BDNFと精神疾患との関与(BDNF経路を介した可塑性の制御と精神疾患)」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、ヘルシンキ大学 ニューロサイエンスセンター 梅森 十三様に執筆いただいたものです。

これまでに、BDNF経路は神経可塑性の制御に関わっていることを述べた。可塑性が高まると、学習や環境の変化に適応して、神経回路は構造的、機能的に再編成される。病態生理学的な(前)臨床研究により、統合失調症やうつ病などの精神疾患において、BDNFおよびその受容体であるTrkBを介したシグナル伝達の異常が報告されている。また近年、抗うつ薬がBDNF/TrkBシグナル伝達を通じた神経可塑性を調節するメカニ...

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第6回 ミクログリア-アストロサイト連関による脳卒中の制御」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、山梨大学大学院 総合研究部 医学域 薬理学講座 小泉 修一様に執筆いただいたものです。

グリア細胞が脳機能に果たす役割が次々と明らかにされている。特に種々の脳疾患時には、グリア細胞が、素早く、大きく、多様に変化することから、これらグリア細胞の変化が脳の異常及び修復過程で重要な役割を果たすのではないか、と考えられるようになっている。これらの仮説は、少しずつ受け入れられるようになってきているが、明らかにすべき課題が幾つも残されている。例えば、グリア細胞研究はin vitro とin vi...

分析 連載

【連載】微量元素分析 -さまざまな分野での活用事例とその重要性-「第2回 食品に含まれるヒ素化合物について」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、一般財団法人日本食品検査 事業本部 試験部門 橘田 規様に執筆いただいたものです。

ヒ素(As)は、地殻において主にAs3S3、As4S4、FeAsSなどの硫化物として存在し、火山活動や鉱物の風化などの自然現象によって環境中に放出されるため、大気、陸地、河川、湖沼及び海洋に広く存在する元素である。自然環境中におけるヒ素の主な化学形態は、酸素を配位した無機ヒ素である亜ヒ酸(As(Ⅲ))及びヒ酸(As(Ⅴ))である(図1)。これらは海洋生態系の食物連鎖を通して代謝変換を受けるため、海...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第2回 BDNF発生発達期の機能と発達障害との関係」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、香川大学 医学部 鈴木 辰吾様に執筆いただいたものです。

BDNFは神経活動依存的に神経細胞から放出される栄養因子であり、シナプスの再編を誘導して記憶や学習に関与する。一方、BDNFは、発達期の脳において、神経細胞の生存の維持や分化誘導、シナプス形成やシナプス結合の誘導などのさまざまな作用を有するため、その重要性は理解されているものの、その機能の本体を捉えることが難しい。近年の研究より、発達期におけるBDNFの発現低下が神経回路の形成異常に関連する可能性...

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