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ライフサイエンス 総説

【総説】2-OG 骨格を持たない次世代HIF 活性化分子PyrzA

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.4(2022年10月号)において、佐賀大学農学部 天然資源化学分野 川口 真一様、生化学分野 辻田 忠志様に執筆いただいたものです。

低酸素誘導因子(HIF)は、脊椎動物において低酸素ストレスを改善する遺伝子を統括的に制御する転写因子である1, 2)。HIFが安定化すると、速やかに核へ移行して、VEGF(血管内皮増殖因子)、EPO(エリスロポエチン)、GLUT1(グルコーストランスポーター1)などのタンパク質発現を上昇させ、低酸素障害に対して保護作用のある血管新生、造血、代謝リプログラミングが促進される3, 4)。したがって、H...

ライフサイエンス 総説

【総説】non-neuronal AChシステム誘導薬

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.4(2022年10月号)において、日本医科大学 化学教室 中村 成夫様、生体統御科学分野 柿沼 由彦様に執筆いただいたものです。

本化合物S -Nitroso-N -pivaloyl-D-penicillamine(SNPiP) は、既存のNOドナーであるS -Nitroso-N -acetyl-DL-penicillamine (SNAP) の基本骨格を参考に作製したものであり、心臓におけるnon-neuronal cholinergicsystem(非神経性コリン作動系と訳され、神経由来のアセチルコリン(ACh)とは別の...

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mRNAワクチン - ワクチン研究の新時代

TriLink BioTechnologesのブログメディア「Zone in with Zon」の”mRNA Vaccines – A New Era in Vaccinology”を許可を得て翻訳・編集した記事です。

mRNAワクチンは、2020年にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチンとして一般の人々に認知されるようになったが、実際にはそれ以前から研究は行われていた。mRNAワクチンに関する最初の論文は、1993年にMartinonらにより報告され、NIHのPubMedデータベースにおいて「mRNAワクチン」という語で索引付けされた。しかし、下図のグラフが示すように、その後しばらくmRNAワク...

ライフサイエンス

尿中L-FABPは重症患者の急性透析療法離脱の指標となる

本記事は、シミックホールディングスが編集する「News Letter L-FABP No.21」をもとに掲載しています。

急性腎障害(AKI)は慢性腎臓病や末期腎不全、また長期的な心血管障害の高いリスクと関連する。最近の研究では、腎代替療法(RRT)を必要とするAKI患者にとって、AKIの回復までに要するRRT施行期間の長さは長期死亡率の独立予後因子であり、RRTによる早期かつ持続的な回復が集中治療室(ICU)滞在期間の短縮および良好な予後と関連していることが報告されている。一方で透析からの離脱が遅れると、血行動態の...

ライフサイエンス 総説

【総説】オキシトシンと社会の形成

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、麻布大学獣医学部 菊水 健史様に執筆いただいたものです。

我々ヒトを含む哺乳類に特徴的な機能として、胎盤形成を介して胎児を育て、授乳を含む養育行動によって子孫をより多く生存させることがあげられます。卵を産む魚類などの卵生の動物種や、卵をメスの体内で孵化させてから仔を産む爬虫類などの卵胎生の動物と比較すると、哺乳類の産仔数は非常に少ないかもしれません。また、生後間もない新生仔の個体は体温調節や運動機能などが未成熟な場合が多く、親は授乳など多くの資源を割いて...

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