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【テクニカルレポート】ヒトiPS 細胞由来腸管上皮細胞F-hiSIEC™(エフ・ハイシーク)のご紹介

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、富士フイルム株式会社 ヘルスケア事業推進室 伊藤 匡彦様に執筆いただいたものです。

経口薬剤は全薬剤の64%を占める最も一般的な薬剤形態で、服用された後、小腸・肝臓での代謝・吸収等を経て全身に循環するため、経口薬剤開発において小腸・肝臓での吸収率を予測することは重要な課題となります。ヒトでの薬物動態予測に実験動物が用いられていますが、薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの発現パターンや発現レベル、基質特異性にはヒトとの間に大きな種差が存在することから、ヒトへの外挿は困難な場合も多く...

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【連載】幹細胞EV ~治療、診断、化粧品への展開~「第1 回 肝硬変症に対する間葉系幹細胞由来の細胞外小胞(エクソソーム)を用いた治療法の開発を目指して」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器内科学分野 寺井 崇二様、土屋 淳紀様に執筆いただいたものです。

肝硬変症はウイルス性のB型肝炎、C型肝炎、アルコール多飲、肥満による非アルコール性脂肪肝炎により慢性炎症の結果に生じる肝線維化が進行した病態である。肝硬変は、代償性肝硬変と、黄疸、腹水、肝性脳症などの重篤な症状が出現する非代償性肝硬変に分けられる。肝臓は再生能力が高い臓器として知られており、その再生能力は肝硬変が進行する程、低下する。我々は、肝硬変の患者の持つ再生能力をいかに導きだし、肝硬変患者の...

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【連載】よくわかるBDNF―基礎から臨床まで―「第5回 BDNF 研究のこれから」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、藤田医科大学 研究推進本部 小清水 久嗣様に執筆いただいたものです。

本シリーズではこれまでの4回の連載を通じ、脳由来神経栄養因子(BDNF)が中枢神経系の正常な発達や機能発現において重要な役割を果たすほか、統合失調症や自閉症をはじめとした精神疾患の病態形成に関与する可能性があることなどをみてきた。ちょうど40年前にBardeとThonenがBDNFの単離の成功を報告して以降1)、BDNFに関する論文は今日までに実に28,800報以上が出版されている(2022年4月...

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尿中L-FABPはシスプラチン誘発性急性腎障害の予測因子

本記事は、シミックホールディングスが編集する「News Letter L-FABP No.23」をもとに掲載しています。

シスプラチンを用いた化学療法(cisplatin-based chemotherapy; CIS-CT)は尿路上皮癌に対する標準的な治療法である。一方で、シスプラチンが腎毒性を有することも良く知られており、CIS-CTを受けた患者の25~35%に急性腎障害(AKI)や機能障害が認められる。このようなシスプラチン誘発性腎障害は、治療薬投与量の制限や投与そのものの中止につながり、治療効果を損なうおそれ...

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熱中症患者における 腎障害の早期バイオマーカー:前向き観察研究

本記事は、シミックホールディングスが編集する「News Letter L-FABP No.22」をもとに掲載しています。

地球温暖化に伴い年間平均気温が上昇傾向にあり、暑熱環境に関連する疾患は世界的にも深刻な懸念事項となっている。日本国内においても近年、熱中症患者数が増加傾向にある。熱中症は労作性と非労作性に分けられる。前者はアスリートや消防士、陸上自衛隊を含む軍関係者など、比較的若く健康で活動量の多い人に多く見られることから、非労作性の古典的な熱中症よりも死亡率が低いとされるが、一方で急性腎障害(AKI)のリスクが...

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