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ライフサイエンス

ライフサイエンス 総説

【総説】細胞外小胞の臨床プロテオミクス解析 -血液を巡る細胞外小胞の多検体自動精製技術の開発-

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、医薬基盤・健康・栄養研究所 プロテオームリサーチプロジェクト 村岡 賢様、足立 淳様に執筆いただいたものです。

近年、がん、神経疾患、心血管疾患、感染症など様々な医学研究分野において、細胞外小胞の研究が進められている。細胞外小胞は、タンパク質、核酸や脂質などを内包しており、これらの構成成分が細胞や疾患ごとに違いを示し、様々な機能を持ち疾患の病態変化に大きく影響を与えていることが知られている。そのため、血液などから採取した細胞外小胞は、病気の早期発見、モニタリング、薬効効果などのバイオマーカーを含むのではない...

培養 ライフサイエンス 総説

【総説】超高純度ヒト骨髄由来間葉系幹細胞REC

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、島根大学 医学部 生命科学講座、PuREC株式会社 陶山 隆史様、松崎 有未様に執筆いただいたものです。

間葉系幹細胞(MSC)は、抽出した骨髄細胞から、MSCの培養皿への接着性を利用して比較的簡単な手順で分離することができ、主にin vitro で軟骨や骨への分化誘導を行い、その後、局所移植を行うなどの臨床研究が行われてきた。

ライフサイエンス Talking of LAL テクニカルレポート

【テクニカルレポート】遺伝子組換えタンパク質を用いたエンドトキシン測定試薬

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、富士フイルム株式会社 バイオサイエンス&エンジニアリング研究所福地 大樹 和様に執筆いただいたものです。

エンドトキシンはグラム陰性細菌の細胞壁外膜に存在するリポ多糖(Lipopolysaccharide)であり、血中に入ると極微量で発熱性を示し、大量ではエンドトキシンショックから死に至るような強い毒性を示すことがある1)。グラム陰性細菌は環境中に広く存在しているため製造工程に混入するリスクがあり、また混入したエンドトキシンは耐熱性のため容易に失活しないことから、注射剤や医療機器はエンドトキシン汚染を...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第4回 BDNF/TrkB シグナル もう一つの顔」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、昭和大学 医学部 安達 直樹様に執筆いただいたものです。

シリーズ第3回までで見てきたように、BDNF/TrkBシグナルは、神経回路の正常な発達や神経伝達調節において有益な機能を果たす。そのため、BDNF/TrkBシグナルの障害は脳の疾患の原因ともなり、その賦活化をターゲットとした創薬研究も数多くなされている。しかし今回は、そんなBDNF/TrkBの機能が、私たちの健康にとって「敵」となりうる事例について見ていきたい。

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第4回  ヒトiPS細胞由来神経細胞における神経回路機能評価法の構築の試み」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 薬品作用学教室 馬場 敦様に執筆いただいたものです。

医薬品開発の過程において、中枢神経系への安全性の問題により脱落した化合物は約1/4程度を占めると報告されており、依然として大きな課題である1)。その内訳をみると、中枢神経系への副作用発現により脱落する候補化合物の割合は、非臨床試験の段階では約7%程度であるのに対し、臨床試験では34%と全臓器のうち最大となっている2)。この結果は、非臨床試験段階での副作用予測が必ずしも十分に機能していないことを示唆...

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