【総説】バッチならびにフロー式Fischer-Speierエステル化に適用可能な高分子酸触媒PAFR Ⅱ
本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、理化学研究所 環境資源科学研究センター 山田 陽一様、分子科学研究所 間瀬 俊明様、魚住 泰広様に執筆いただいたものです。
有機合成反応の原子効率(生成物/原料)の向上とE-factor(廃棄物/原料)の低減は、有機化学やグリーンケミストリーだけでなく、産業応用においても重要なファクターである。脱水反応は最も基本的な反応の一つであり、理想的な触媒を用いた脱水反応では水が唯一の副生成物となるため、生合成・化学合成のいずれにおいても頻繁に利用されている。具体的には、カルボン酸とアルコールを反応させてエステルを得るFisch...