siyaku blog

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連載

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.07「ペプチド合成における酸塩化物の活用」

望みの配列を持ったペプチドを合成する技術の重要性は、今さらくだくだしく述べるまでもないだろう。実のところ、ペプチドはアミノ酸が一列につながっただけの単純な化合物でありながら、その合成は奥が深い。この分野の祖というべきエミール・フィッシャーが、初めてペプチドを合成したのは20世紀初頭のことであるが、より優れた方法を求めて、なおも研究は続いている。長い間に様々な合成技法が開発されてきたが、以下の基本的...

Talking of LAL 連載

【連載】エンドトキシン便り「第1話 Low Endotoxin Recovery(LER)について(1)」

本記事は、和光純薬工業 試薬化成品事業部開発第一本部 BMS 開発部 BMS センター 高須賀 禎浩が執筆したものです。

今回は現在、エンドトキシン試験の分野において活発に議論されている Low Endotoxin Recovery (LER) について取り上げたいと思います。 2013 年の Parenteral Drug Association (PDA) で Chen らがこの問題を取り上げて以来1)、ある特殊な条件下で、エンドトキシンが検出されないことから、各種の懸念が生じています。 今回は、これまで発表され...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.06「イオン液体」

イオン性化合物といえば、塩化ナトリウムに代表されるように、陽イオンと陰イオンが規則正しく積み重なった結晶性の固体となるのが一般的だ。しかしこの常識に反し、液体として存在するイオン性化合物も存在する。このように、常温付近(一般に100℃以下)で液体となるイオン性化合物を「イオン液体」と呼んでおり、近年注目を集めている1)。 イオン液体の発見は1914年にさかのぼるが、長らくその可能性が省みられること...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.05「Trost酸化」

アルコールから、アルデヒドまたはケトンへの酸化は、有機合成において最も頻出する反応のひとつであり、古くから様々な方法が工夫されてきた。かつてはこの目的に、クロム酸塩類がよく用いられていたが、毒性や環境負荷など多くの問題があった。しかし近年では改良が進み、安全性・操作性・選択性が改善された反応がいくつも報告されている。化学者はそれらの特徴をよく知り、状況に応じて使い分けなければならない。中でもSwe...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.04「MPV還元とOppenauer酸化」

アルデヒドやケトンからアルコールへの還元、及びその逆反応である酸化反応は、有機合成化学において最も頻出する官能基変換である。このため、古くから多くの手法が研究されてきたが、いまだ全てにわたって完璧という反応はない。たとえば、よく用いられるアルミニウム系還元剤は、水分と反応して発火するなど取り扱いが難しい。また酸化剤の方も、毒性、爆発性、悪臭、操作の煩雑さなど、それぞれ問題を残す。このため、酸化還元...

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