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【テクニカルレポート】間葉系幹細胞由来エクソソーム産生用無血清培地の開発 エクソソームを利用した再生医療の実現に向けて

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、富士フイルム和光純薬 ライフサイエンス研究所 丸谷 祐樹、山根 昌之が執筆したものです。

細胞外小胞 (Extracellular vesicle : EV) は、細胞より放出される脂質二重膜の小胞体で細胞間のコミュニケーションツールとしての機能を持つ。EVの一種として分類されるエクソソームは、種々の生体機能の制御に関わると考えられており、疾患バイオマーカーや治療用製剤への利用が期待されている。治療用製剤への利用においては抗炎症や抗線維化といった効果を有する間葉系幹細胞 (Mesenc...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第1回 BDNF概論」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、新潟大学 脳研究所腫瘍病態学 武井 延之様に執筆いただいたものです。

BDNF研究は神経細胞の生存維持、分化誘導といった「古典的」作用に始まり、神経伝達、シナプス可塑性の制御という新たな作用へと展開されてきた。それに伴い、疾患との関係でも細胞死を伴う神経変性疾患への関与と治療への応用の試みから、神経機能異常(あるいは回路形成異常)と考えられる精神疾患や発達障害への関与や治療へと関心が変化してきている。図1に時系列に沿ったBDNF研究の流れを示し、本項ではBDNFの概...

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第5回 ヒ ト血液を用いた脳内ミクログリア活動性予測による心のリバース・トランスレーショナル研究」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学 加藤 隆弘様に執筆いただいたものです。

近年、神経変性疾患に限らず様々な精神神経疾患において脳内炎症に重要な働きを担う免疫細胞ミクログリアの関与が示唆されているが、ヒトでの知見は限られている。従来、ミクログリアをターゲットとした臨床研究は、死後脳研究とPET研究が中心であった。こうした研究により、統合失調症患者、うつ病患者、自閉スペクトラム症患者、そして、自殺者の脳内でミクログリアの過剰活性化が報告されている。PET技術により生きている...

ライフサイエンス 総説

【総説】PTS溶液の開発とEVへの応用

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、熊本大学大学院 生命科学研究部 薬学系 微生物薬学分野 増田 豪様に執筆いただいたものです。

タンパク質はその発現量や翻訳後修飾、相互作用の相手や局在を変えることで多様な生命現象を生み出している。生命現象において中心的役割を担う重要なタンパク質について、その発現プロファイルを得るプロテオミクスは近年の生命科学研究では欠かすことができない技術および研究分野である。プロテオミクスでタンパク質の発現プロファイルを得るには、試料からタンパク質を抽出後に、それらを消化酵素で断片化する必要がある。その...

ライフサイエンス 総説

【総説】家族性パーキンソン病患者iPS細胞由来神経系細胞におけるエンドソーム機能障害

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、東京慈恵会医科大学 再生医学研究部a) 脳神経内科b) 坊野 恵子様a),b)、岡野 ジェイムス 洋尚様a)に執筆いただいたものです。

近年、不治の病とされた様々な神経疾患の原因遺伝子・感受性遺伝子が同定され、その根幹病態にせまる発見が相次ぎ、病態解明に向け新たな知見が蓄積してきている。疾患関連遺伝子から推測される病態経路を疾患モデル細胞やモデル動物を用いて検証することにより、新規治療法の研究・開発が飛躍的に進んできた。2006年に誕生したiPS細胞は、再生医療に重要な役割を果たすと期待されており、臨床応用に向けた研究が進んでいる...

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