siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

ライフサイエンス

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第4回 BDNF/TrkB シグナル もう一つの顔」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、昭和大学 医学部 安達 直樹様に執筆いただいたものです。

シリーズ第3回までで見てきたように、BDNF/TrkBシグナルは、神経回路の正常な発達や神経伝達調節において有益な機能を果たす。そのため、BDNF/TrkBシグナルの障害は脳の疾患の原因ともなり、その賦活化をターゲットとした創薬研究も数多くなされている。しかし今回は、そんなBDNF/TrkBの機能が、私たちの健康にとって「敵」となりうる事例について見ていきたい。

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第4回  ヒトiPS細胞由来神経細胞における神経回路機能評価法の構築の試み」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 薬品作用学教室 馬場 敦様に執筆いただいたものです。

医薬品開発の過程において、中枢神経系への安全性の問題により脱落した化合物は約1/4程度を占めると報告されており、依然として大きな課題である1)。その内訳をみると、中枢神経系への副作用発現により脱落する候補化合物の割合は、非臨床試験の段階では約7%程度であるのに対し、臨床試験では34%と全臓器のうち最大となっている2)。この結果は、非臨床試験段階での副作用予測が必ずしも十分に機能していないことを示唆...

ライフサイエンス

肺がんにおけるEGFR薬剤耐性変異

本記事は、カルナバイオサイエンス株式会社が発行しているニュースレターを再編集し掲載しています。

キナーゼ阻害薬はimatinibが2001年にがん治療薬として上市されて以来各ターゲットに対するFirst-in Class中心の探索に加え、薬剤耐性を獲得した変異体に対する次世代薬剤の開発も大きく展開しております。世界のがん統計2020で死亡原因の第1位、そして新規症例数の第2位は肺がんであり¹⁾、中でも肺がんの多くを占める非小細胞肺がん (NSCLC) の1種、肺腺がんでは、治療薬であるEGF...

ライフサイエンス 総説

【総説】ステルス型RNAベクターの開発と次世代細胞リプログラミング技術への応用

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、ときわバイオ株式会社 中西 真人様に執筆いただいたものです。

遺伝子導入による細胞リプログラミングは、マウスの線維芽細胞(真皮などの結合組織を構成する細胞)を筋肉の細胞に転換できるMyoD遺伝子の発見によりその端緒が開かれた1)。しかし、多くの研究者の懸命な努力にもかかわらず、単独で細胞の性質を転換可能な「マスター遺伝子」はMyoD以外には見つからなかった。

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】細胞内アセチルCoAを活性化して可視化する蛍光検出プローブ

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 山次 健三様、金井 求様に執筆いただいたものです。

生体分子は様々な化学修飾を受けることによって多様な機能を発揮する。例えば、生体機能の中心を担うタンパク質は翻訳後修飾を受けることで、限られたゲノム情報(〜2万5千の遺伝子)から100万以上のプロテオームを形成している。その翻訳後修飾の代表がタンパク質リジン残基のアセチル化であり、アセチル化酵素がアセチルCoAを唯一のアセチル化剤として用いてヒストンをはじめとする様々なタンパク質をアセチル化し、遺伝...

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