siyaku blog

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ライフサイエンス

ライフサイエンス 総説

【総説】新規核酸誘導体コアクロル(COA-Cl)の生理活性 ―神経細胞保護効果を持つxeno free栄養因⼦―

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、香川大学医学部 薬物生体情報学講座 塚本 郁子様に執筆いただいたものです。

コアクロル(COA-Cl)は筆者の研究グループが新規合成し、2010年より「2Cl-C. OXT-A」の名称で販売されている化合物である。当時は血管新生を促進する画期的な低分子として上市されたが、その後の研究で神経細胞に対する保護栄養効果の他、様々な生理活性が明らかになった。このたび、試薬名をコアクロルと改名してリニューアル販売をしていただくにあたり、新しい知見を紹介したい。

ライフサイエンス

ネコの早期腎機能悪化予測マーカー 尿中L型脂肪酸結合蛋白 (L-FABP) の変動

本記事は、シミックホールディングス株式会社が編集する「Animals News Letter L-FABP No.2」をもとに掲載しています。

腎臓病はネコにおいて頻繁にみられる疾患である。特に高齢ネコでは慢性腎臓病 (Chronic Kidney Disease:CKD) の罹患率が高く合併症リスクの上昇とともに主要な死因の一つとされる。また急性腎障害 (Acute Kidney Injury:AKI) もネコにおいて生存率に関わる重要な疾患であり、さらにCKDへの病態進行にもつながると考えられる。現在ネコの腎疾患の診断において、早期か...

ライフサイエンス

動脈管開存症治療薬・イブプロフェンの投与が超低出生体重児の腎機能に与える影響

本記事は、シミックホールディングス株式会社が編集する「News Letter L-FABP No.16」をもとに掲載しています。

胎児期には肺での呼吸をせず、肺動脈から大動脈へと肺をバイパスして血液を送る仕組みが存在している。この役割を果たす動脈管は通常は生後数週間で完全に閉じてしまうが、特に早産児の場合などはその発達が未熟であるために開いたままの状態となることがある。この状態は動脈管開存症 (PDA)と呼ばれ、心不全や肺出血、腎機能不全、壊死性腸炎などが生じる原因となるおそれがある。

ライフサイエンス 総説

【総説】中性付近のpHで抗体を効率的に吸着/精製する担体の開発

本記事は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 日本特殊陶業ー産総研ヘルスケア・マテリアル連携研究ラボ 加藤 且也様、日本特殊陶業株式会社 研究開発本部 北村 昌大様に執筆いただいたものです。

血清や細胞培養上清中に存在する抗体、特にイムノグロブリンG (IgG) を精製する場合には、通常IgGのFc領域と強い相互作用を持つプロテインAの結合したアフィニティークロマトグラフィー担体が用いられている。しかし抗体の回収時に用いるpH 2~4 の酸性溶液が、回収後の抗体の凝集や変性を引き起こす原因ともなり、重要な活性を持つ抗体を取得できない場合がある。そのために、抗体回収溶液として酸性溶液を用...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第1回  ヒトiPS 細胞由来心筋細胞を用いた心収縮評価システムの最新動向」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 化学物質安全性評価システム構築社会連携講座 澤田 光平様に執筆いただいたものです。

心筋の収縮を正常に保つことは、全身に血液を送り出す心臓のポンプ機能にとって極めて重要である。心筋症などの心疾患、薬物誘発の心毒性、COVID-19 などのウイルスによる心筋障害、更には環境汚染物質PM2. 5 など様々な原因が心筋の収縮性に障害をもたらす要因となる。これらの要因は心不全の誘発、悪化につながる臨床上重要な課題として認識されており、高齢者の心不全増加の原因に少なからず関与していると考え...

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