siyaku blog

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合成・材料

合成・材料 特別講座

【特別講座】Cy-Ubpyの開発物語

本記事は、ChemGrowing Vol.02 (2017年9月号)において、九州大学先導物質化学研究所 國信 洋一郎様に執筆いただいたものです。

有機合成反応において、位置選択性制御の重要性は言うまでもありません。位置選択性の制御がうまくいかないと、反応の結果、様々な生成物が混合物として得られてしまいます。そのため、目的生成物の収率が低下してしまうとともに、混合物の中から欲しい化合物を単離しないといけなくなるため、時間や労力、コストがかかってしまいます。その反面、位置選択的に反応を進行させることができれば、そのような問題点を一挙に解決するこ...

合成・材料 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】強塩基を発生するボレート型光塩基発生剤とその応用例

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.3(2017年7月号)において、和光純薬工業 試薬化成品研究所 簗場 康佑、酒井 信彦が執筆したものです。

紫外線(Ultra Violet, UV)を利用した化学反応は古くから知られており、さまざまな分野で広く応用されている。中でも、UV 照射によってラジカルや酸などの化学種を発生し、モノマーを重合もしくは架橋させて硬化樹脂を形成する技術は、電子産業、塗料、インキ、接着剤、封止材の分野で幅広く利用されている。 硬化が迅速であるため生産効率を飛躍的に向上できることや、UV 照射部分にのみ選択的に微細な加...

合成・材料 特別講座

【特別講座】NAD(P)非依存な固定化不斉酸化触媒「SanCat-Super」について

本記事は、OrganicSquare No.59 (2017年3月号)において、サンヨー食品株式会社 開発本部開発部 永岡 宏行様に執筆いただいたものです。

エンドウ豆由来ヘム蛋白質による"NAD(P)非依存な不斉酸化反応(SanCat-R:5g、WAKO-No.351-34213)"は、論文報告済となっており、1)以前の本総説(Wako Organic Square 44, 22 (2013))で紹介済である。2) 今回は更に、該当ヘム蛋白質が、蛍光菌由来 HasA(Heme-Acquisition system A)であることを突止め、それを多孔質...

合成・材料 特別講座

【特別講座】[5.5]-P-スピロ型キラルテトラアミノホスホニウム塩を用いる触媒的分子変換

本記事は、OrganicSquare Vol.59 (2017年3月号)において、名古屋大学 浦口 大輔様、大井 貴史様に執筆いただいたものです。

キラル相間移動触媒としての歴史をもつアンモニウム塩とは対照的に、ホスホニウム塩を触媒的に利用した例はほとんど知られていない 1-3)。これは、ホスホニウムイオンが反応中間体や合成試剤として高い反応性をもつことと密接に関係している。つまり、一般的な反応条件下における分子の安定性が低いことが、ホスホニウム塩を触媒とするシステムの構築を妨げてきた。 これに対し我々は、高い安定性を備えた分子構造としてテト...

合成・材料 総説

【総説】ラセミ体アルコールを光学的に純粋な化合物に収率 100%で 変換する新技術

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.1(2017年1月号)において、大阪大学大学院薬学研究科 赤井 周司 様に執筆いただいたものです。

光学的に純粋な有機化合物は、医薬品、農薬、香料、液晶などの様々な製品に用いられている。年々、光学活性化合物の需要は高まり、環境に負荷をかけない供給法の開発が今日の重要課題の1つである。最近の金属触媒や低分子有機触媒の発展には目を見張るものがあるが、常温常圧での高いエナンチオ並びに官能基選択性、高い触媒回転率を満足するものは未だ少ない。一方、生体触媒(酵素)はこれらを可能にする。さらに、発酵によって...

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