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- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

合成・材料

合成・材料 総説

【総説】リパーゼの特徴と有効性について

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.3(2016年7月号)において、天野エンザイム株式会社 佐藤 幸秀 様に執筆いただいたものです。

19 世紀に、膵臓中にリパーゼの存在が確認され、リパーゼは、アミラーゼ、プロテアーゼとともに重要視され、産業的には医薬用消化酵素、診断薬、洗剤、食品加工、キラル合成などに利用されてきている 1, 2)。またそれ以外にも近年グリーンケミストリーの観点から、酵素や微生物などの生体触媒の利用は注目されており、特に光学活性な化合物を得る手法としてリパーゼは広く利用され、多くの研究成果が報告されている 3)...

合成・材料 特別講座

【特別講座】RAFT重合 Reversible Addition-Fragmentation Chain Transfer Polymerization

本記事は、OrganicSquare Vol.56 (2016年6月号)において、徳島大学 客員教授 田中 均 様に執筆いただいたものです。

高分子の組成、サイズ、立体構造などは、その材料物性および機能に大きく影響する。同じポリスチレン、ポリアクリレートであっても、サイズ(分子量および分子量分布)と立体構造が異なれば、機械・熱・光学特性は全く違ったものになる。これら分子量等を制御するため、これまで様々な精密重合が試みられ、イオン重合ではほぼその目的を達成した。一方、イオン重合に比べ多くの利点を有するラジカル重合による構造制御ポリマーの合...

合成・材料 ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】反応性代謝物検出のための Presep® XenoScreen™ 96well Plate を用いた試料前処理について

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.2(2016年4月号)において、和光純薬工業 試薬化成品研究所 須藤 勇紀が執筆したものです。

医薬品は通常、動物実験や臨床試験を経て有効性と安全性が確認された後に、当局に承認された物質のみが製造・販売されます。臨床試験、上市後に発症する副作用は全副作用の約 80 %を占めますが、それら副作用は薬理作用から予測が可能であり、通常、用量を減量することにより回避することが可能です1)。 一方で特異体質性薬物毒性(IDT : Idiosyncratic drug toxicity)と呼ばれ、動物実...

合成・材料 特別講座

【特別講座】ナフチルメトキシメチル:扱いやすくて酸化的に外せるベンジルオキシメチル系保護基

本記事は、OrganicSquare Vol.55 (2016年3月号)において、九州大学大学院理学研究院化学部門 鳥飼 浩平 様に執筆いただいたものです。

ベンジル(Bn)基やその置換体は有機合成化学分野で保護基として長く利用されてきた。ベンジル系保護基最大の利点は何と言っても加水素分解(例えば H2、Pd/C)により容易かつクリーンに除去できることである。加えて p-メトキシベンジル(PMB)や 2-ナフチルメチル(NAP)基は 2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)や硝酸二アンモニウムセリウムIV(CAN)といった酸化剤に...

合成・材料 特別講座

【特別講座】次世代 LIB 用高容量 Si 系負極における架橋型ポリアクリル酸バインダーの効果

本記事は、OrganicSquare Vol.55 (2016年3月号)において、東京理科大学 駒場 慎一 様に執筆いただいたものです。

小型の携帯機器などに現在広く普及しているリチウムイオン電池(LIB)を電気自動車や大型蓄電デバイスに適用するために、さらなる高エネルギー密度化が求められ、研究が進められている。負極活物質として黒鉛が一般的であるが、次世代材料として高容量シリコン系材料が注目されている 1)。シリコンを電気化学的に還元するとリチウムシリサイドが生成し、室温において黒鉛のおよそ 10 倍の理論容量(~3600mAh g...

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