【総説】高分子系半導体−n型
本記事は、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 工学部応用化学科 岡本 敏宏准教授に執筆いただいたものです。
高分子系n型半導体材料は、低分子系と同様に、p型半導体材料と比較して、開発が遅れている。高分子系n型半導体として図1aに示したCN-PPVは古くから知られている1)。21世紀に入り、高分子系p型有機半導体と同様、n型半導体も研究が活発になったが、p型に比べて、移動度は一桁以上低い値であった。
2003年にJenekheらによって開発されたはしご型(ラダー型)高分子のpoly(benzimidazo...