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連載

Talking of LAL 連載

【連載】Talking of LAL「第22話 添加回収試験の謎」

本記事は、和光純薬時報 Vol.64 No.1(1996年1月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

エンドトキシン(ET)試験におけるバリデーションの中に「阻害または促進試験」があります。この試験では、いわゆる添加回収試験を行います。添加回収試験では、通常、既知量の ET を添加した試料をリムルス試験によって測定し、添加量に対する測定値の割合を回収率として求めます。 今回は、この添加回収試験の意味について考えてみたいと思います。 ET の添加回収試験とは何のために行うのでしょう。まず考えられるこ...

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【連載】Talking of LAL「第21話 水中のエンドトキシンはどこまで測れるか」

本記事は、和光純薬時報 Vol.63 No.4(1995年10月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

リムルス試験によるエンドトキシン測定法は、主に医薬品の安全性試験として発展してきました。医薬品に許容されたエンドトキシンレベルは、例えば「注射用水」の場合 0.25EU/mL であり、現在のエンドトキシン検出技術から考えると、かなり高濃度であると思われます。 もちろん、測定への影響が強い薬剤の場合は希釈が必要ですから、実際にはかなり低濃度のエンドトキシンを測定する必要があります。また、製造用の水の...

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【連載】Talking of LAL「第20話 パイロセップ法」

本記事は、和光純薬時報 Vol.63 No.3(1995年7月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

パイロセップは、スペーサーを介してヒスチジンを適当な担体に固定化したもので、エンドトキシン吸着体として市販されています(田辺製薬製造、ダイセル工業・和光純薬販売)。パイロセップは、主にエンドトキシン除去に使用されており、条件を決めさえすれば、カラム等を用いて、目的物からエンドトキシンを効率よく除くことができます。 担体として、アガロースを用いたもの(パイロセップ A)とセルロースを用いたもの(パイ...

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【連載】Talking of LAL「第19話 Es-Eappプロット」

本記事は、和光純薬時報 Vol.63 No.2(1995年4月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

リムルス試験における試料の影響を知ることの重要性については、第 6 話から第 10 話でお話したとおりです。しかし、阻害促進試験において、試料にエンドトキシンが混入している場合、エンドトキシンの添加回収値の精度が悪くなり、試料の測定への影響を正確に知ることが難しくなります。 そこで今回は、筆者らが開発した、測定試料の影響の程度と試料中のエンドトキシン濃度を同時に推定する方法(Es-Eappプロット...

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【連載】Talking of LAL「第18話 リムルス試薬と SLP 試薬」

本記事は、和光純薬時報 Vol.63 No.1(1995年1月号)において、和光純薬工業 土谷 正和が執筆したものです。

リムルス試薬を活性化するエンドトキシンや(1→3)-β-D-グルカン(β-グルカン)は、それぞれグラム陰性菌及び真菌の細胞壁成分です。筆者らは、微生物細胞壁成分の検出を目的に研究を行ってまいりましたが、その指標として、エンドトキシンとβ-グルカン以外に、ペプチドグリカン(PG)に着目してきました。 PG は、細菌の細胞壁に認められる成分で、種々の生物活性を持つことが報告されています。PG は、グラ...

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