siyaku blog

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ライフサイエンス

ライフサイエンス 連載

【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第5回 透明化技術と対物レンズ」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.2(2020年4月号)において、オリンパス株式会社 R&D 機能 光学システム開発 科学先進技術開発 理化学研究所 脳神経科学研究センター 理研 CBS-オリンパス連携センター 西脇 大介様、樋口 香織様に執筆いただいたものです。

近年、固定組織の透明化技術の進展が目覚ましい。ここ10年の間に、様々な手法が開発され生命科学の発展に大きな影響を与えた。組織透明化は、これまで観察することが難しかった組織の 3 次元構造を、組織を破壊することなく、大規模・高精細に再構築することを可能とした(図 1)。こうした透明化の技術の発展に合わせて、透明化手法に対応した光学系、特に対物レンズも各メーカーから開発・発売されている。

培養 ライフサイエンス 総説

【総説】細胞内に発現する miRNA を検知し、目的の細胞を選別する RNA スイッチ™ 技術

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、株式会社 aceRNA Technologies 進 照夫様に執筆いただいたものです。

京都大学 iPS 細胞研究所の齊藤博英教授らが発明した「RNA スイッチ™」技術は、細胞内に存在し、生命現象の様々な作用機序を制御すると言われている miRNA(マイクロ RNA)を検知して、細胞の遺伝子発現を制御することを可能とします。細胞内の miRNA の活性状態を細胞が生きたまま識別できることが大きな特徴の 1 つであり、この技術により判明した細胞種特異的な活性 miRNA に対応する R...

ライフサイエンス 連載

【連載】エクソソームと生命現象「第8回 エクソソームを利用した診断」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、公益財団法人がん研究会 植田 幸嗣様に執筆いただいたものです。

従来、細胞間コミュニケーションや細胞周辺環境の恒常性維持には細胞外に放出される液性因子(サイトカインなど)が機能していると考えられてきたが、近年の研究により微小分泌小胞もこれらにとって重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。特にエンドサイトーシスを起点とする細胞内小胞輸送経路を経て生成される細胞外小胞の一種、エクソソームに関しては基礎生物学的な機能解明に留まらず診断、治療、ドラッグデリバ...

合成・材料 ライフサイエンス 連載

【連載】ペプチド医薬合成基礎講座 「第4回 環状ペプチド合成の新潮流」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

本連載の第1回で述べた通り、ペプチド医薬の可能性が改めて注目されている。低分子合成医薬は低コストかつ経口投与が可能であるなど多くの利点を持つが、昨今行き詰まりを指摘されている。また抗体医薬をはじめとしたバイオ医薬は製造コストが高くつき、経口投与は不可能である上、巨大分子であるタンパク質は細胞内に入り込めないことなどから、適用可能な疾患は限られている。ペプチド医薬が期待されるのは、この両者の「いいと...

ライフサイエンス 連載

【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第4回 骨組織に囲まれた内耳イメージングのための透明化法、Modified ScaleS」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、東京大学大学院医学系研究科 浦田 真次様、岡部 繁男様に執筆いただいたものです。

本研究の目的は蝸牛全有毛細胞を観察する手法の開発になります。蝸牛は異なる機能を持つ細胞が複雑に配置されて構成される極めて精巧な組織であり、骨包に囲まれているために解析法は限定的でした。従来の蝸牛有毛細胞の組織解析は切片作成や surface preparation による観察が主流でした 1, 2)。しかし、切片作成は蝸牛軸と水平面で行う為、コルチ器から側壁までの観察が可能ですが有毛細胞の観察でき...

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