【総説】Phos-tag 技術を用いたタンパク質のリン酸化解析
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、広島大学大学院医歯薬保健学研究科 医薬分子機能科学研究室 木下 恵美子様、木下 英司様、小池 透様に執筆いただいたものです。
細胞内で生命活動を担う多くのタンパク質は、キナーゼによるリン酸化とフォスファターゼによる脱リン酸化を繰り返し、活性のONとOFFを切り替えている。しかし、キナーゼやフォスファターゼの異常によりこの活性制御のバランスが崩れると、様々な病気が引き起こされることが知られている。特にがんでは種々のキナーゼの異常が報告されている。それゆえに、タンパク質のリン酸化研究は、様々な疾患の原因究明やキナーゼ阻害剤(...
