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合成・材料

合成・材料

有機触媒によるトリフルオロボレート塩の不斉共役付加

本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。

米プリンストン大学のMacMillanらによる報告です。彼らによって開発された有機分子触媒、MacMillan触媒1)は、エナール(α,β-不飽和アルデヒド)を基質とし、様々な不斉1,4-付加反応を進行させます。基質と反応して求電子性の高いイミニウム中間体を形成し、付加反応を促進します(LUMO-activation)。複雑な化合物の合成にも用いられるなど、大変実用性の高い触媒です(例:タミフルの...

合成・材料

スズ化合物除去のニュースタンダード:炭酸カリウム/シリカゲル

本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。

Stilleカップリングやラジカル還元などで生じるすずの副産物は、毒性などの問題もあることから完全に除去しておきたいものです。しかしカラムでテーリングしたり、分離がかなり難しいことも知られています。トリエチルアミンカラムやフッ化カリウム水溶液を加えて一晩撹拌するなど、よく知られた方法もありますが、時間がかかったりアミン臭が気になったりと一長一短です。良い変換が多いにもかかわらず、後処理がなんとも面...

合成・材料

PEG化合物を簡単に精製したい?それなら塩化マグネシウム!

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ケミカルバイオロジー・生体関連化学用途の分子構造において、とにかくよく見かけるのがポリエチレングリコール(PEG)です。水に溶ける、毒性が少ない、免疫原性が少ない、反応しづらく安定、末端加工もしやすい、分子サイズも様々に入手可能、しかも安価・・・という、生体関連応用にとって理想的な特性を持っています。一方で精製に関しては考えることが多くあります。水に溶けやすくなる分、分液やカラムなどでロストしやす...

合成・材料 総説

【総説】ヒドロキシルアミン等価体オキシム試薬によるアミド/アミン/ニトリルへの官能基変換

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、近畿大学 理工学部 兵藤 憲吾様に執筆いただいたものです。

ヒドロキシルアミンは、アンモニアの酸化物の1つであり、単体では潮解性や爆発性を有し、その取り扱いには注意を要する。過去には国内外にてヒドロキシルアミンが原因となる爆発事故が発生し、危険物に指定されている。ヒドロキシルアミンは、単体よりも取り扱いやすい塩酸や硫酸などの鉱酸塩としても扱われるが、オキシム合成時には鉱酸塩を中和するために、化学量論量の塩基を使用する必要があり、反応後には生成物と共に、大量...

合成・材料

NBSでのブロモ化に、酢酸アンモニウムをひとつまみ

本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。

芳香環のブロモ化といえば、構造活性相関の取得はもちろんの事、カップリング反応の足場としても活躍する頻出反応の一つです。さまざまなブロモ化試薬が市販されていますが、第一選択としては N-ブロモスクシンイミド (NBS) を用いる方も多いのではないでしょうか。しかし安価なブロモ化試薬はその反応性の高さゆえ、位置選択性に悩まされることが多かったり、多置換反応が起きたり、予期せぬ酸化反応が進行したりするな...

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