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テクニカルレポート

ライフサイエンス Talking of LAL テクニカルレポート

【テクニカルレポート】遺伝子組換えタンパク質を用いたエンドトキシン測定試薬

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、富士フイルム株式会社 バイオサイエンス&エンジニアリング研究所福地 大樹 和様に執筆いただいたものです。

エンドトキシンはグラム陰性細菌の細胞壁外膜に存在するリポ多糖(Lipopolysaccharide)であり、血中に入ると極微量で発熱性を示し、大量ではエンドトキシンショックから死に至るような強い毒性を示すことがある1)。グラム陰性細菌は環境中に広く存在しているため製造工程に混入するリスクがあり、また混入したエンドトキシンは耐熱性のため容易に失活しないことから、注射剤や医療機器はエンドトキシン汚染を...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】細胞内アセチルCoAを活性化して可視化する蛍光検出プローブ

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 山次 健三様、金井 求様に執筆いただいたものです。

生体分子は様々な化学修飾を受けることによって多様な機能を発揮する。例えば、生体機能の中心を担うタンパク質は翻訳後修飾を受けることで、限られたゲノム情報(〜2万5千の遺伝子)から100万以上のプロテオームを形成している。その翻訳後修飾の代表がタンパク質リジン残基のアセチル化であり、アセチル化酵素がアセチルCoAを唯一のアセチル化剤として用いてヒストンをはじめとする様々なタンパク質をアセチル化し、遺伝...

分析 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】オンラインSPE-FastGC/MS/MSシステムを用いた水中農薬の迅速分析法

本記事は、ChemGrowing vol.18(2021年11月号)において、株式会社アイスティサイエンス 技術営業部 浅井 智紀様に執筆いただいたものです。

環境分析において、河川などへの汚染物質の流出事故が発生した状況下においては速やかに汚染物質の種類や濃度などの測定結果を得る分析手法が求められる。また迅速な分析手法の開発はより多くの検体数を短時間で処理できることにもつながる。本レポートでは固相抽出からGC/MS/MS測定までをオンラインで全自動分析を可能とした装置「SPL-P100」と20mカラム及び高速分離測定が可能なFastGC/MS/MSを組...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】超耐熱性エンド型セルラーゼの開発とその応用例

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、大関株式会社 総合研究所 仙波 弘雅様、坪井 宏和様、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 石川 一彦様に執筆いただいたものです。

世界的なバイオエタノール産業への関心の高まりとともに、セルロース加水分解酵素(セルラーゼ)の研究が盛んに行われてきた。特に糸状菌Trichoderma reesei は多量のセルラーゼを菌体外に分泌することから多くの研究が行われており、現在様々な分野で使用されている。一方でT. reesei 由来セルラーゼに代表される一般的なセルラーゼは熱安定性が低いことが多く、60℃程度の温度でその機能を失って...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】間葉系幹細胞由来エクソソーム産生用無血清培地の開発 エクソソームを利用した再生医療の実現に向けて

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、富士フイルム和光純薬 ライフサイエンス研究所 丸谷 祐樹、山根 昌之が執筆したものです。

細胞外小胞 (Extracellular vesicle : EV) は、細胞より放出される脂質二重膜の小胞体で細胞間のコミュニケーションツールとしての機能を持つ。EVの一種として分類されるエクソソームは、種々の生体機能の制御に関わると考えられており、疾患バイオマーカーや治療用製剤への利用が期待されている。治療用製剤への利用においては抗炎症や抗線維化といった効果を有する間葉系幹細胞 (Mesenc...

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