siyaku blog

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合成・材料

合成・材料 総説

【総説】界面集積型脱水縮合剤とその反応

本記事は、和光純薬時報 Vol.81 No.1(2013年1月号)において、金沢大学医薬保健研究域薬学系 国嶋 崇隆 先生に執筆いただいたものです。

ミセルの特性のうち、反応場という観点から重要なものとして、次の3点を上げることができる。すなわち、①水中に溶解/分散している脂溶性分子の取り込み作用により、ミセル内でそれらの濃度が高まる局所濃縮効果、②両親媒性化合物の場合、極性官能基を界面に向けて取り込まれる前配向性効果、③会合解離を繰り返す平衡系であるため、取り込まれる分子の出入りが速いこと

合成・材料 特別講座

【特別講座】オレフィンメタセシス触媒の最近の進歩

本記事は、OrganicSquare Vol.41 (2012年9月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

長い化学の歴史の中で、有機合成を根底から変えた反応のひとつとして、オレフィンメタセシス反応を挙げることに異論のある者はないであろう[1]。最も安定な結合である炭素-炭素二重結合が切れて組み替わる、他にほとんど類例がないユニークな反応である。オレフィンメタセシスの歴史は意外に古く、その発見は 1960 年代にまで遡ることができる。特異な反応形式は多くの化学者の興味を惹き、早い時期からメカニズムの解明...

合成・材料 特別講座

【特別講座】拡大するボロン酸の化学

本記事は、OrganicSquare Vol.39 (2012年3月号)において、東京大学大学院 理学系研究科化学専攻 特任助教 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

2010 年のノーベル化学賞が、R. Heck・根岸英一・鈴木章の 3 氏に与えられたことはまだ記憶に新しい。受賞対象となったクロスカップリング反応の中でも、ボロン酸及びその誘導体を基質として用いる「鈴木-宮浦反応」の有用性は極めて高く、この試薬の存在こそがノーベル賞への決め手であったといっても過言ではない(図 1)[1]。

合成・材料 特別講座

【特別講座】広がる重水素の用途

本記事は、OrganicSquare Vol.33 (2010年9月号)において、東京大学大学院 理学系研究科 化学専攻特任助教 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

通常のほぼ倍の質量を持つ不思議な水素、すなわち「重水素」が H.Urey によって発見されたのは 1931 年のことだ 1)。これは史上初めて「同位体」の概念を実証したという点で、まさに化学史に燦然と輝く発見といえる。しかし我々後世の化学者にとっては、今や不可欠な重水素という研究ツールが提供されたという方が、あるいは重要かもしれない。核物理学はもちろん、有機化学・生化学・医薬品研究・汚染物質分析に...

合成・材料 特別講座

【特別講座】プラチナ、固定化触媒(Pt IC-I)の開発 ― 固定化金属触媒のプロセス化学への応用 ―

本記事は、OrganicSquare Vol.23 (2008年3月号)において、和光純薬工業株式会社 試薬研究所 主任研究員 佐藤 睦が執筆したものです。

グリーンケミストリーを指向した高分子固定化白金触媒(Pt IC-I)を開発し、重合禁止剤である N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンの工業的な製法に応用した。この触媒を用いると 98% の選択性でニトロベンゼンからフェニルヒドロキシルアミンへの還元が進行し、30 回繰り返し使用しても活性は低下しなかった。

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